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 ソーシャルメディアを企業が活用する際のリスクを低減するための手法を考える一般社団法人「ニューメディアリスク協会」(東京都港区)が2012年2月に設立される。慶応義塾大学メディアデザイン研究科の中村伊知哉教授が理事長を務め、企業、自治体などのリスクマネジメントや広報の担当者の参加を募る。定期的な勉強会などを通じて、ソーシャルメディア活用に関するリスクや対策に関する情報を共有する狙い。

 ソーシャルメディアが急激に普及し、スマートフォンなどデバイスも進化した2011年は、ネットリスクが飛躍的に高まった年でもある。ソーシャルメディアへの社員の書き込みや、企業のホームページに掲載された文章に非難が集中する“炎上”は、2011年には前年度の倍以上に増加したという。

 ECサイトや口コミサイトに特定企業を誹謗中傷する書き込みがなされるなど新手の攻撃手法も登場した。「被害が深刻化し行政が規制に乗り出すと、ネットの自由が束縛される。そうなる前に、民間企業が主体的に防止策を講じることが必要と判断した」と中村教授は協会設立の経緯を話す。

 入会金5万円、年会費12万円で企業や自治体、大学などの会員を募って月次の勉強会を開催し、ネットメディアを利用するうえでの注意点の啓蒙や伝達、風評被害の防止と事後対策についての意見交換などを行う。勉強会では、専門家による講演や、事務局を務めるネットメディアのコンサルティング会社エルテス(東京都港区)が蓄積した過去の炎上事例分析資料を共有する。

 さらに小グループに分かれた分科会で、過去に炎上被害に遭った企業の担当者に、炎上終結までの具体的なプロセスを聞く機会なども設ける予定。現時点で約20社が参加を検討しているという。

 参加企業が勉強会などで得た知見を、社内のソーシャルメディアガイドラインに反映したり、ネットメディア利用の教育プログラム策定に生かしたりできる。「人口に占めるツイッター利用者が多い日本は炎上先進国でもある。企業間で知見を共有することで、リスクを低減しソーシャルメディアなどの有効な活用を促したい」と中村教授は話す。