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 米Appleが米Samsung Electronicsのスマートフォン「Galaxy Nexus」に特許を侵害されたとして、販売差し止めの仮処分を求める訴訟をカリフォルニア州の連邦地方裁判所に起こしたと、複数の米メディア(Wall Street JournalForbesCNET News.comなど)が現地時間2012年2月12日に報じた。

 Galaxy Nexusは米Googleのモバイルプラットフォーム「Android 4.0」(開発コード名は「Ice Cream Sandwich」)を搭載した機種で、昨年11月に世界で出荷を開始し、米国では12月半ばに投入された。

 Appleが侵害されたと主張しているのは、スクリーン上のボタンイメージをスライドしてロックを解除する機能、音声検索機能「Siri」に関する技術、入力している単語の候補を提示するオートコンプリート機能、電子メールなどに掲載されている電話番号をタップして電話がかけられる機能をカバーする4つの特許。電話番号タップに関する特許を巡っては、台湾HTCに対しても訴訟を起こしており、昨年12月に米国際貿易委員会(ITC)がHTC製スマートフォンによる侵害を認め、販売禁止を命じている。

 Appleは2011年4月に、Samsungの製品がAppleのスマートフォン「iPhone」やタブレット端末「iPad」関連のデザイン特許および登録商標を侵害したとして、今回と同じカリフォルニア州の裁判所に提訴した。これを受けSamsungは通信技術に関する特許が侵害されたとしてAppleを逆提訴し、その後両社の訴訟合戦は世界に広がった。Appleは昨年4月の提訴でSamsungのスマートフォン「Galaxy S 4G」「Infuse 4G」「Droid Charge」とタブレット端末「Galaxy Tab 10.1」の販売差し止めの仮処分を求めたが、カリフォルニア州の裁判所はこれを退けている(関連記事:AppleとSamsungの特許係争、米連邦地裁がAppleによる仮差し止め請求を棄却)。ドイツでは、デュッセルドルフでGalaxy Tab 10.1に対する販売差し止め命令を勝ち取ったが、ミュンヘンの裁判所に申し立てたGalaxy Tab 10.1の改訂版「Galaxy Tab 10.1N」とGalaxy Nexusに対する仮差し止め請求は棄却された(関連記事:Samsungとの特許侵害訴訟、Appleがドイツで黒星)。

 一方Samsungについては、不当な訴訟を起こすことで欧州の市場競争を妨げた疑いがあるとして、欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)が競争法(独占禁止法)に関する調査に乗り出している(関連記事:欧州委、Samsungを競争法違反の疑いで正式調査へ )。

 なおAppleがSamsung以外のAndroid端末ベンダーと繰り広げている係争としては、米Motorola MobilityがドイツでAppleを相手取って起こした特許侵害訴訟がある。Appleは同訴訟でこれまで2件の黒星を喫していたが、2月10日にApple製品による無線技術関連特許の侵害はないとの判断を勝ち取っている(米InfoWorldの報道)。