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写真●JR東日本グループが開発する「クラウド型マルチ決済システム」の試作端末。インターネットに常時接続して、クラウド側で多くの処理を行う仕組み
写真●JR東日本グループが開発する「クラウド型マルチ決済システム」の試作端末。インターネットに常時接続して、クラウド側で多くの処理を行う仕組み
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 東日本旅客鉄道(JR東日本)の子会社であるジェイアール東日本メカトロニクス(JREM、東京都渋谷区)は2012年7月上旬をメドに、Suica(スイカ)などの電子マネー決済に使う新しい「クラウド型マルチ決済システム」を稼働させる。決済端末の価格を下げることで、中小店舗への電子マネー端末普及を促し、電子マネー決済の拡大を狙う。

 現行の電子マネー決済端末は初期費用だけで1台20万~50万円以上と高価であるため、中小店舗での導入が進んでいなかった。新型の決済端末はクラウドコンピューティング技術によって端末側の処理をサーバー側に取り込み、端末価格を抑える。新型の初期費用はおおむね現行の3分の1以下になるという。

 新型端末では、Suica(スイカ)や、これと相互利用できるPASMO(パスモ)やICOCA(イコカ)など「交通系電子マネー」を決済できる。「マルチ決済」型の端末であり、店舗側が加盟店契約を結べば、交通系以外の電子マネーやクレジットカードも利用できる。

端末側はAndroid採用し、簡素な設計

 決済端末(写真)はJREMが独自に設計したもので、米GoogleのOS(基本ソフト)「Android(アンドロイド)」と、5.7インチのタッチパネル式操作画面を採用した。さらに、明細印字用のプリンター、オートカッターを備える。

 決済端末本体に、SuicaなどICカードのリーダーライター(読み書き機)を接続して使う。接触ICクレジットカード用のPINパッド付き読み取り機も接続できる。

 決済端末は、インターネットに常時接続している必要がある。決済時はその都度JREM側が設置したサーバー「クラウド型マルチ決済システムセンター」に接続し、電子マネーカードの有効性などを確認する処理を行う。回線が安定していれば1~2秒以内で処理が完了する。

 これは、端末内で処理が完結する現行方式が1秒以内に完了するのに比べれば遅いものの、利用者にとっては待たされていると感じないレベルだ。ただし、現行方式では回線不通時でも決済できるのに対し、新型では回線が不通時は決済自体が不可能になる。このため携帯電話回線などではなく、ADSLや光などの固定回線の利用を推奨している。