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写真1●大賞を受賞したマツケイの日高克也氏にトロフィーを渡すまつもとゆきひろ審査委員長
写真1●大賞を受賞したマツケイの日高克也氏にトロフィーを渡すまつもとゆきひろ審査委員長
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 「フクオカRubyフォーラム2012」が2012年2月23日、福岡市内のホテルで開催され、フクオカRuby大賞の表彰式やまつもとゆきひろ氏の講演などが行われた。フクオカRuby大賞は、Rubyを使ったビジネスの促進やRubyの普及拡大を目的に、Rubyを利用した優れた取り組みを表彰するもの。福岡Rubyビジネス拠点推進会議と福岡県が主催し、今年で4回目を迎えた。今回は、PDF形式の帳票を独自エディタやライブラリを使ってRubyから生成できるオープンソースソフトウエア「ThinReports」(開発・提供はマツケイ、関連記事)が大賞を受賞した(写真1)。

 冒頭、福岡県の小川洋知事は、「日本で生まれたプログラミング言語Rubyは着々と世界に広がっており、早ければ今年中にもRubyの国際標準化がなされる見込みだ(関連記事)。福岡県は2010年末にRubyを利用したコンテンツ産業の振興を支援する福岡県Ruby・コンテンツ産業振興センターを設けるなど、積極的にRubyを利用した産業振興に取り組んでいる。今後もRubyによるビジネス振興を福岡から起こしていきたい」と挨拶した。

 続いて、審査委員長を務めるまつもと氏が今回のフクオカRuby大賞について次のように講評した。「日本では企業システムにRubyを適用する動きがある。海外ではWeb関連システムへの適用が中心であり、ビジネス分野での展開は日本独特だ。そうした中、RubyやRuby on Railsで使える帳票作成システム『ThinReports』はビジネス分野におけるRubyの発展に寄与すると考え、大賞とした。年々Rubyを使ったシステムのレベルは上がってきており、IT業界に与える影響力も高まってきている。ビジネス分野においても、そのほかの領域においても、日本のITイノベーションをリードする存在として、Rubyの発展に期待している」。

 続いて、Railsを使ったPaaSを提供する米EngineYardのCEOを務めるJohn Dillon氏が講演した。「クラウドはまだ初期の段階。サービスとして完成するまでにはあと10年はかかる。今の10年は、クラウドを中心にIT業界にとって信じられないほどの成長、変革の時期になるだろう」との見解を示すと同時に同社は今後、米国に加えて、日本、アイルランドでもクラウドの運営を始めると述べた。

 さらに、米VMwareの前CTOであるDerek Collison氏が「美しいだけでいいのか」と題して講演。最近のシステム構成の傾向を説明したのち、「次の10年にはいろいろなチャンスがある。ただし、そのチャンスを生かすためにはさまざまな課題に対処しなければならない。Rubyについても、複数の仮想マシンやバージョンの存在などの課題がある」と指摘した。

 このあと大賞と優秀賞の受賞者がRubyをいかにシステムに活用しているかをプレゼンテーションした。優秀賞は3件で、Railsアプリケーションの開発支援環境と実行環境を提供するサービス「MONGOK」、Ruby製のグループウエア「Joruri GW」(関連記事)、クラウド基盤構築用ソフトの「Wakame-VDC」(関連記事)。結果として、クラウド関連のソフトやサービスが受賞した。