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写真●パネルディスカッションの様子。写真右から大石良 代表取締役、後藤和貴 cloudpackエバンジェリスト、渥美俊英 クラウドエバンジェリスト、新野淳一 編集長
写真●パネルディスカッションの様子。写真右から大石良 代表取締役、後藤和貴 cloudpackエバンジェリスト、渥美俊英 クラウドエバンジェリスト、新野淳一 編集長
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 2012年2月28日に開幕した「Cloud Days Tokyo/スマートフォン&タブレット/ビッグデータEXPO」では、「クラウドがもたらすSIの変革」と題して、クラウド時代に必要なインテグレータ像について討論が行われた。パネリストは、電通国際情報サービスの渥美俊英 クラウドエバンジェリスト、アイレットの後藤和貴 cloudpackエバンジェリスト、サーバーワークスの大石良 代表取締役の三人。モデレータを務めたのは、Publickeyの新野淳一 編集長。

 パネリストの3人によれば、ここ1年でクラウド環境が普及し、顧客の要求も変化しているという。従来は「システム要件を含めた開発がメインだったが、ビジネス要件のみを要求してくる案件が増えた」(後藤氏)という。クラウド環境では物理的なサーバーを用意する必要がないため、すばやいシステム開発が期待できる。クラウドを利用したい顧客は、サービスをいかにすばやくリリースするかを重要視しているわけだ。

 そこでシステムインテグレータにとって重要なのが、機能をコンポーネント化することである。渥美氏は「クラウド環境を利用することで、インフラはより早く、より安全に構築できるようになる。インフラを整えるのに2カ月かかるので、その間に要件定義しましょう、といったことはクラウド時代には通用しない。顧客はもちろんだがシステムインテグレータとして、このスピードについていかなければならない。よりすばやいシステム開発には、共通する処理をできるだけコンポーネント化してすばやく提供できるようにする。CRM(Customer Relationship Management)や認証など、よく利用される機能はあらかじめコンポーネントとして用意しておくべきだ」という。またインフラの設定・管理などはAPIのみで済むため、「従来のようにデータセンターにわざわざ出向いて管理する必要はない。この時間をサービスの構築に当てられる」(大石氏)と話す。

 このようなシステム開発手法は、システムインテグレータの利益にもなるという。顧客のクラウドへの理解が深まることで「物理的なサーバーを調達する時間が削減されて納期が早くなる。インフラ部分の売り上げが下がることもあるが、メンテナンスの効率化などによって、結果的に利益率は上がる」(後藤氏)と話す。

説明できるエンジニアが望まれる

 クラウド環境の普及によって、従来からのインフラを扱うエンジニアは通用しなくなるのでは、といった声もある。しかし渥美氏は「クラウド環境によってインフラが簡単に構築できるようになっても、Webとは何か、セキュリティとは何か、といった根本的な素養がエンジニアに求められることに変わりはない。インフラ技術者が一人前になるまで5~10年はかかる。それまでに学んだ知識は決して無駄にはならない。これらを学んだ上で、顧客のビジネスそのものを理解して技術を説明できるエンジニアにシフトするべきだ」という。

 大石氏も「クラウドを使うと、どんなトラブルが発生する可能性があり、リスクはこれぐらいある、だからこの価格になる、といったことが説明できないといけない。説明には培ってきた技術力が必要。クラウド環境を利用した適正価格を説明できるエンジニアが必要になるだろう」と話す。

 パネルディスカッションの最後には、これからのクラウドについての討論も行われた。渥美氏は「クラウド環境が普及しているが、ガバナンスやセキュリティなどが追いついてない。システム監査はどうするのか、といったことを監査法人などを含めて検討していく必要がある」と締めくくった。