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 知的財産戦略本部のコンテンツ強化専門調査会は2012年3月7日、第7回会合を開催した。この調査会は次回会合(3月13日開催)で「知的財産推進計画2012」の骨子に盛り込む事項を取りまとめることになっている。今年度の会合が終盤に差し掛かっていることもあり、多くの委員から発言があった。

 角川グループホールディングス取締役会長の角川歴彦氏は、「配布資料の施策例を読むと、従来の著作権法の下でクラウド型サービスの環境整備ができると書いているように思える。それでいいのか」と問題提起を行った。「これまでの知財本部の成果には、コンテンツ促進法(コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律)がある」としたうえで、「今は基本法のような位置付けであるが、コンテンツ流通に向けたデジタル・ネットワークの整備やクールジャパン推進のためには、コンテンツ促進法の改定が有効かもしれない。今年度に間に合わなければ、来年度以降の課題にしてほしい」と主張した。

 弁護士の中山信弘氏は、施策例として資料に盛り込まれた「クラウド型サービスのための環境整備」の担当府省が文部科学省のみとなっていることについて、「クラウド型サービスの振興には総務省にも頑張ってもらいたい」と注文を付けた。デジタルハリウッド大学学長の杉山知之氏は、「知的財産のほとんどはデジタルになっている。知財本部とIT戦略本部(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部)を統合してほしい。このままでは深い議論ができない」と述べた。

 これを受けて内閣府大臣政務官の大串博志氏は、「過去に知財本部とIT戦略本部を一緒にすべきという議論があったが、知財とITの話は別という意見もあった」と説明した。「TPPでは知財分野も扱うと聞いた。詳しく説明してほしい」(角川氏)という意見に対しては、「各国の主張はまちまちで、現段階では見通しがつかない。協議が進めば、各国との利害関係が見えてくると思う」(大串氏)とした。

 一方、久夛良木健氏(サイバーアイ・エンタテインメント代表取締役社長)はコンテンツ特区について、「サイバースペースのコンテンツ特区も考えられないか。国内の特定のサーバーに限って規制を外すということになれば、場所が限定されるので権利処理もやりやすくなるのではないか」と持論を展開した。リアルのコンテンツ特区については、既に札幌市が地域活性化総合特別区域として指定されている。これに関連して、「映画会社から見ると札幌だけでは使いにくい。もう少し数がほしい」(角川氏)と注文した。事務局は、「京都府などもコンテンツ特区申請を検討している」と説明した。