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写真●米国以外で初の開催となった「fMC Tokyo」
写真●米国以外で初の開催となった「fMC Tokyo」
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 フェイスブックは3月16日、米国以外では初となる企業のマーケティング担当者向けカンファレンス「fMC Tokyo」を開催した(写真)。2月29日にニューヨークで開催した「fMC」のサテライト版で、フェイスブック本社などから来日した担当者や日本担当グロースマネージャーの児玉太郎氏などが登壇し、企業向けの新機能やフェイスブックの狙いを紹介した。企業から広告収入を得ながら、企業の投稿も魅力的なコンテンツにしてユーザー体験を損なわないようにしようとするフェイスブックの思惑が見えてきた。

会話しないページは魅力がなくなる「タイムライン」

 今回発表した大きな変更は2つある。一つは、企業などが販促向けに無料で作成できる「Facebookページ」に「タイムライン」機能を導入することだ。タイムラインではページ管理者の投稿が時系列で並ぶ形になるため、投稿が少ないページや顧客とのやり取りがない一方通行のページはさびしく見える。これまでは、こうしたやり取りがなくてもきれいなランディングページを作成してキャンペーン情報などを提供するだけで販促効果を得られたが、タイムライン化によって顧客との会話がより重要になってくる。

 ただし、運用が変わる大きな変更になるため、企業のマーケティング担当者からは戸惑いの声が上がっている。これに対してフェイスブックのグローバルディレクターのヘザー・ホプキンズ氏は、「タイムライン化によって、それぞれのFacebookページの歴史が見えるようになり、ページにアイデンティティが生まれ、命が吹き込まれ、ストーリーが流れる。そのブランドのストーリーや歴史を知ると、人々の記憶に残っていく」と、タイムラインの効果を強調した。

企業の投稿を確実に読ませる広告「リーチジェネレータ」

 2つめは、フェイスブックの新しい広告機能「リーチジェネレータ」。リーチジェネレータは、Facebookページのファンに確実に投稿を読んでもらうために、ユーザーのニュースフィードや右側の広告欄、ログアウト画面などに表示させる広告サービスである。フェイスブックでの投稿内容が、友達やファンのニュースフィードに表示されるのは平均16%に過ぎない。リーチジェネレータは、企業の投稿を確実に読んでもらうために、別の機会に表示させるという広告サービスだ。

 もっとも、広告がユーザーのニュースフィードに登場することについては、ユーザーから反発が出る可能性もある。これに対してフェイスブックの広告システムの開発チームを率いるマーク・ラブキン氏は、「表示されるのは、元々ユーザーがファンになっているページの情報であるし、ユーザーからの反応が良いものを表示させたり、広告コンテンツとそれ以外の割合を考慮する」と説明。そのうえで、会場のマーケティング担当者に対して、「企業のみなさんには、ユーザーが面白いと思うようなことを伝えてほしい。企業の広告でも、誰かが面白いと言ったら、それはもう広告ではなく会話になる。友達から勧められると、感情が動くし、ブランドの歴史を知ると記憶に残る。フェイスブックでは、リアルの世界と同じような情報をシェアして、友達や家族と話すということができる」と呼びかけた。

 今回の「タイムライン化」と「リーチジェネレータ」という新機能によって、積極的にフェイスブックを活用する企業はより大きな効果が上がる。しかし逆に、Facebookページに手をかけない企業は効果が小さくなってしまう。ユーザーから魅力的と見えるようなコンテンツを投稿できない企業には、厳しい変更だ。もしフェイスブックが広告収入を上げたいだけなら、タイムライン化もせず、広告の表示の制限もかけないほうがよいはずだ。それでも、このような形の新機能に変更した背景には、ユーザー体験を重視する同社CEOマーク・ザッカーバーグ氏の姿勢があるからではないだろうか(『フェイスブック 若き天才の野望』には、ザッカーバーグ氏のユーザー体験を重視する姿勢が描かれている)。

 フェイスブックのアジアパシフィック担当副社長のエリック・ジョンソン氏は「フェイスブックのミッションは、世界をよりオープンでよりつなげていくというものだ。人と人をつなぎ、人とブランドをつなげていきたい」と説明したが、今回の2つの新機能もそのミッションとユーザー体験を重視したサービスのようだ。