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 光産業技術振興協会(光協会)は2012年3月16日、2011年度の光産業動向調査の結果を発表した。同調査は1980年から毎年実施しているもので、光産業を「情報通信」「情報記録」「入出力」「ディスプレイ・固体照明」「太陽光発電」「レーザー加工」「センシング・計測」の7分野と「その他」に分類。分野ごとの国内生産額と、海外生産を含む全出荷額を調査・報告している。今回発表したのは、2010年度実績、2011年度見込み、2012年度予測である。2011年10月に389社・事業所に対してアンケート調査票を送付。2011年12月から2012年1月末にかけて110社・事業者から回答を得た。

 光産業全体の2011年度の国内生産額は対前年度比1.6%減の7兆9783億円を見込む。2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響で分野ごとに明暗が分かれた()。

図●分野別の光産業国内生産額の推移
図●分野別の光産業国内生産額の推移
出典:光産業技術振興協会

 個別の装置で見ていくと、省エネニーズの高まりからLED照明装置など固体照明器具・装置が同142.9%増、太陽光発電システムが同24.1%増と大きく伸びる一方で、円高の影響も受けたディスプレイ装置が同8.7%減、複合機などの入出力装置が同11.0%減、光ディスク装置は同22.1%減と大幅減を見込む。

 情報通信分野の2011年度の国内生産額は同2.8%減の5269億円と見る。光伝送機器・装置では、携帯電話事業者の需要が拡大している光ファイバー増幅器が同6.0%増、投資サイクルの影響でメトロ系装置が同1.0%増とそれぞれ伸びるものの、幹線系、加入者系、映像伝送の各装置はいずれも減少となる。

 通信用半導体レーザーはタイの洪水の影響で同5.9%減。通信用受光素子は数量が増えるも価格低下のため同22.1%減。光伝送リンクは、データセンター事業者向けの送受信モジュールなどで40Gビット/秒以上の需要が拡大するも10Gビット/秒のタイプが減少して同1.1%減と微減を見込む。なお、情報通信分野では海外生産がほとんどないため全出荷額も同様の傾向を示す。2011年度は同3.1%減の5546億円を見込む。

 2012年度の予測は今回の調査から定性分析に切り替えた。「増加」「やや増加」「横ばい」「やや減少」「減少」の5段階で示す。これに基づき、国内生産額は光産業全体で「横ばい」、分野別では太陽光発電が「増加」、情報記録が「やや減少」、それ以外の情報通信などはすべて「横ばい」と予測する。

 昨年までは翌年度の予測も数値データを出していたが、「翌年度の予測に関するアンケートの回収率がここ数年で極端に落ち、責任のある数字を出せなくなったため、定性的な調査に切り替えた」(光産業技術振興協会 専務理事の小谷泰久氏)と話す。原因は大きく二つ考えられるという。一つは景気の減速など将来が非常に読みにくい経済状況になってきたこと。もう一つは、業界のインナーグループが将来の数字を予測することに公正取引委員会などで否定的な雰囲気があるという。