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 米公共ラジオ放送のChicago Public Mediaは現地時間2012年3月16日、米Appleなどの製品組み立てを請け負う中国工場を題材にした放送の内容に情報のねつ造があったことを明らかにした。

 Chicago Public Mediaの番組「This American Life」では1月6日に、米国の芸人Mike Daisey氏が中国の富士康科技(Foxconn Technology)の深セン工場での取材をベースに作ったワンマンショー「The Agony and the Ecstasy of Steve Jobs(Steve Jobs氏の苦悩と恍惚(こうこつ))」を抜粋し、「Mr. Daisey and the Apple Factory(Daisey氏とApple製品工場)」と題して放送した。

 FoxconnはAppleのモバイルデバイス「iPhone」「iPad」などの製造を手がけているが、過去に相次ぐ工員の自殺や爆発による死亡事故が報じられ、その労働環境や管理体制などをめぐってAppleを含む米企業側に社会的責任があるとして人権擁護団体などが厳しく非難していた。こうした批判を受け、今年2月にAppleは米公正労働協会(FLA)に工場の労働環境を調査するよう依頼し、Foxconnは従業員の賃金引き上げを発表している(関連記事:中国のApple製品組立工場、従業員の賃金引き上げを明らかに)。

 Chicago Public Mediaによると、Mr. Daisey and the Apple Factory放送直後に、ビジネスニュース番組「American Public Media's Marketplace」の中国特派員が疑問を指摘したことからねつ造疑惑が生じた。Marketplaceは過去にFoxconnを多く取材しており同工場の問題について詳しかった。同特派員がDaisey氏の通訳を務めた中国人を見つけてインタビューしたところ、通訳はDaisey氏がショーで話している内容の大半に異議を唱えた。

 米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、Daisey氏はショーの中で、12歳の子どもが複数雇われていたことや、毒性のある化学薬品のせいで手の震えが残る従業員に会ったとことなどを語っていた。Daisey氏は「私の職業は演劇の一種であり、ジャーナリズムではない。This American Lifeにショーの放送を許可したことを後悔している」と述べている。

[発表資料(PDF文書)]