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 NTTがグループ主要各社のトップ人事を固めた。NTT持ち株会社の三浦惺社長(68)の後任には鵜浦博夫副社長(63)が就く。NTTドコモは加藤薫取締役常務執行役員(60)、NTT東日本は山村雅之常務(59)、NTT西日本は村尾和俊常務(59)、NTTデータは岩本敏男副社長(59)がそれぞれ社長に昇格する見通し。2012年6月末の株主総会後に正式に決める。

 NTT持ち株の鵜浦副社長は、1973年に日本電信電話公社(現NTT)入社。1999年の組織再編を経て2002年に取締役就任。2007年から常務、2008年から副社長を務め、南アフリカのシステム会社ディメンション・データの買収(2010年)を指揮してNTTグローバル化の推進に貢献した。政策に強く、7月に始めるグループ各社の料金請求・回収業務の統合も鵜浦副社長の手腕による。鵜浦副社長は東大法卒の事務系。以前は技術系と事務系の出身者が交互に社長に就任するたすき掛けが慣例だったが、和田紀夫前社長(71、現会長)、三浦社長に続いて事務系が3代続くことになる。

 持ち株社長には技術系出身者のNTTドコモの山田隆持社長(63)を推す声もグループ内外で多かったが、NTTドコモは昨年から今年にかけて大規模な通信障害を相次ぎ引き起こした。山田社長は1月27日に障害会見と決算会見を同時に済ませただけでなく、NTTドコモは自ら総務省に行政指導を要請して早期決着を図った。山田社長はNTTドコモ社長としての続投を希望していたもようだが、今後は取締役相談役として障害対応の責任を引き続きまっとうすることになった。

 NTTドコモの加藤常務は、1977年に日本電信電話公社(現NTT)入社。名古屋工業大学院工学研究科修了の技術系だが、長らく経営企画畑を歩んできた。大阪府出身で旧関西支社の在籍が長いが、山田隆持社長にその手腕を買われて2008年から現職。副社長3人を飛び越しての社長昇格となる。1985年の日航機墜落事故の直後には開発中の可搬型基地局や実用化直前の肩掛け型自動車電話などを背負って御巣鷹山に登り、現地の通信確保に奮闘した人物として知られる。

 このほか、NTT西日本の村尾副社長とNTTデータの岩本副社長は1976年入社。NTT東日本の山村常務は1978年入社で、副社長2人を飛び越しての昇格となる。社内外でNTTの人材不足を指摘する声は多く、優秀な人材の積極的な登用で若返りを図った印象が強い。今後決まる副社長以下の布陣にも注目が集まる。

 NTT持ち株の三浦社長は取締役会長に就く。NTT東日本の江部努社長(64)、NTT西日本の大竹伸一社長(64)、NTTデータの山下徹社長(64)はそれぞれ各社の取締役相談役に退く。在任2年のNTTコミュニケーションズの有馬彰社長(62)は続投する。