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デジタル教科書教材協議会(DiTT)の会合で講演したルネサンス・アカデミーの代表取締役社長でルネサンス高等学校校長の桃井隆良氏
デジタル教科書教材協議会(DiTT)の会合で講演したルネサンス・アカデミーの代表取締役社長でルネサンス高等学校校長の桃井隆良氏
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ルネサンス高等学校で実践した「スマートフォン×デジタル教科書」プロジェクトの説明図。米クアルコムの資金援助により、約200台のスマートフォンを生徒に配布。個人で所有する生徒を含め、約1000人がスマートフォンで学習した
ルネサンス高等学校で実践した「スマートフォン×デジタル教科書」プロジェクトの説明図。米クアルコムの資金援助により、約200台のスマートフォンを生徒に配布。個人で所有する生徒を含め、約1000人がスマートフォンで学習した
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スマートフォンを利用した英語学習の効果を説明するスライド。携帯電話で学習した生徒より、スマートフォンで学習した生徒の方が好成績を収めた
スマートフォンを利用した英語学習の効果を説明するスライド。携帯電話で学習した生徒より、スマートフォンで学習した生徒の方が好成績を収めた
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自然科学や地理、歴史などを扱う米国の雑誌「ナショナルジオグラフィック」を英語で読解するコースを現在開発中
自然科学や地理、歴史などを扱う米国の雑誌「ナショナルジオグラフィック」を英語で読解するコースを現在開発中
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 通信制高校のルネサンス高等学校を運営するルネサンス・アカデミーは2012年4月17日、同校が取り組むスマートフォンを活用したデジタル学習の効果と、今後の展開について発表した。同社が参加するデジタル教科書教材協議会(DiTT)の会合で、代表取締役社長であり同校の校長も務める桃井隆良氏が講演した。

 同校では、2007年から携帯電話を利用した学習システムを展開。高校生にとって最も身近なツールである携帯電話を使い、択一式の問題を解答・採点して学習する仕組みを提供してきた。2011年からは、学習端末としてのスマートフォンの可能性に着目。米クアルコムの社会貢献プログラム「Wireless Reachイニシアチブ」の支援を得て、「スマートフォン×デジタル教科書」プロジェクトを開始した。

 同プロジェクトでは、米クアルコムからの資金援助の下、同校が生徒約200人にスマートフォンを無料で提供(通信費は除く)。個人で端末を所有する生徒を含めると、約1000人がスマートフォンを利用した学習を実践した。独自に英語の基礎演習アプリを開発し、通信制の基本となる自学自習とレポートの提出を、スマートフォンを通じて行った。「紙と郵便を使った通信教育と違って、即座にレポートの添削やフィードバックが可能なのが利点。非常にスピーディな学習が行える」(桃井氏)。

 今回発表したのは、こうした2011年度における英語学習の効果だ。2011年度後期試験の結果について、携帯電話で学習した生徒と、スマートフォンで学習した生徒を比較した。すると、携帯電話を使った生徒の平均点が70.8点だったのに対し、スマートフォンを使った生徒の平均点は77.3点となり、スマートフォンの方が学習効果が高いことがうかがわれた。また、回答時間についても、スマートフォンの生徒の方が早かったという。

 スマートフォンでは、長文の音声を再生して読解演習ができるほか、大きな画面を使って問題・選択肢・解説などを一元的に表示できる点などが、携帯電話よりも学習効果を上げたと同社は分析する。「携帯電話の簡便さを損なうことなく、よりパソコンに近づいた学習環境を作れるところが、スマートフォンの利点だろう。また英語学習は、“隙間学習”が効果的な科目。ちょっとした待ち時間や通学電車の中などでも勉強できるのがいい」(桃井氏)。また、学校内のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)と連動させて、従来の通信制では難しかった「励まし合い」「学び合い」「教え合い」「競争」といった側面を取り入れられる点で、「通信制でもかなり本格的な教育ができる時代が来た」と桃井氏は語る。

 同校は、2012年もクアルコムの支援を得て、「スマートフォン×デジタル教科書」プロジェクトの第2弾を展開する。桃井氏は、「今年は約1000人の生徒にスマートフォンを無料で提供し、約3000人の生徒全員にスマートフォンを持たせたい」と意気込む。現在、米国の雑誌「ナショナルジオグラフィック」を英語で読解するコースや、ネイティブの英語を聞きながら同じ文章を音読する「シャドーイング」のコースなどを開発中で、秋までには運用を始めたいとしている。そのほか、数学や理科のコースも検討中だ。

 「スマートフォンだけが学習端末だとは思っていない。パソコンやタブレット端末、スマートTVなど、状況や必要性に応じて、学びたいもので学べる方がよい。ただし、皆が持っていない機器ではだめだ。その点、スマートフォンは今、放っておいても広がっている。だから我々は、電子教科書はスマートフォンから始まると思っている。スマートフォンでできることは、当然パソコン、タブレット端末、スマートTVでもできるようになるだろう」(桃井氏)。