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 日本の会計基準の策定主体であるASBJ(企業会計基準委員会)は2012年4月24日、「包括利益の表示に関する会計基準(案)」を公開した。現行の包括利益の表示に関する会計基準の改定案で、単体(個別)財務諸表に当面適用しない旨を明示した。2012年5月25日まで公開草案に対するコメントを受け付ける。

 包括利益は、ある企業の特定期間における純資産の変動を表す利益概念(持分所有者との直接的な取引を除く)。IFRS(国際会計基準)と日本の会計基準(日本基準)との主要な差異をなくすコンバージェンス(収斂)の一環として、2011年3月期から連結財務諸表に表示を義務付けている(関連記事:ASBJが「包括利益」基準を承認、2011年3月期から連結財務諸表に義務付け)。

 ASBJが2010年6月30日に公開した「包括利益の表示に関する会計基準」(企業会計基準第25号)では、単体財務諸表への適用について「基準公表から1年後を目途に判断する」としていた。その後、単体財務諸表に対するIFRSの影響を議論する「単体財務諸表に関する検討会議」での議論を踏まえて、2012年1月に開催したASBJ第235回委員会で「包括利益は当面、単体財務諸表に適用しない」との方針を打ち出していた(関連記事:「開発費・のれん」は現状維持、ASBJがIFRSコンバージェンス方針を議論 )。今回の改定案は、この方針に沿ったものだ。

 今回公表した「包括利益の表示に関する会計基準(案)」(企業会計基準公開草案第47号)では、「本会計基準は、当面の間、個別財務諸表には適用しないことにする」(16-2)と明示。「審議の結果、個別財務諸表への適用に関して市場関係者の意見が大きく分かれている状況や、個別財務諸表の包括利益に係る主な情報は現行の株主資本等変動計算書から入手可能でもあること等を総合的に勘案」(39-3)した結果だとする。

 今回の改正案に伴い、「四半期財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第12号)や「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第14号)の改正案も公開した。