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 総務省は2012年4月26日、無線LANビジネス研究会の第3回会合を開催した。今回は、NTT東日本、イー・アクセス、シスコ、FREESPOT協議会(バッファロー)、浦安市の5団体がプレゼンを実施した。中でも興味深いプレゼンを行ったのがシスコとFREESPOT協議会(バッファロー)だ。

 まずシスコは、世界的に無線LANサービスが「インターネットサービスからエリアの魅力を伝えるサービスに変わりつつある」と指摘し、世界の事例や技術的な動きを紹介した。

 事例としては米マクドナルドやニューヨーク市などの無線LANの取り組みを紹介。米マクドナルドでは、来店者向けと業務用の無線LANサービスを統合して活用し、前者は2.4GHz帯、後者は干渉などの影響を受けにくい5GHz帯で使い分けているという。

 技術面の動きは、携帯電話のSIMを用いて世界中でシームレスに公衆無線LANをローミングできるようにする「Next Generation Hotspot」(Hotspot 2.0、関連記事)や、ギガビット/秒を超えるスループットを目指す次世代無線LAN規格「IEEE 802.11ac」を紹介。NGH(Hotspot 2.0)については、欧州で少しずつ導入が進みつつあるという。IEEE 802.11acは、2012年2月にドラフト2.0が策定済みで2013年3月に正式な規格が固まる見込み。2012年末にも11ac対応機器が市場に出てくるという予測を示した。

 このほか同社は例年、「Visual Networking Index」(VNI)という世界のトラフィック動向の調査結果を発表している。その中から、2015年には無線LAN経由のアクセスが固定有線回線経由のアクセスを超えるという予測、携帯網から公衆無線LANへのデータオフロードが2016年には22%になるといった見通しなども示した。

 FREESPOT協議会(バッファロー)は、FREESPOTの取り組みとともに、無線LAN親機の現状と予測を紹介。2011年に5GHz帯対応の無線LAN親機、特にIEEE 802.11n対応機器の出荷台数が急増し、5GHz帯対応の親機の市場シェアは全体の20%程度まで拡大しているという同社の調査結果を示した。その理由として、機器の低価格化やテレビやレコーダーの無線LAN対応が本格化していることが背景にあるとした。

 同社はさらに、IEEE 802.11nと同じ5GHz帯を使うIEEE 802.11acの市場予測も紹介。標準化が順調に進んだ場合、2013年にIEEE 802.11ac対応機器の出荷が急増し、2014年にはIEEE 802.11n対応機器をIEEE 802.11ac対応機器が逆転するという見通しを示した。

 本研究会では2.4GHz帯の混雑の問題がたびたび話題に上っている(関連記事)。その解決策として5GHz帯の積極活用が指摘されているが、802.11nや802.11ac対応機器の市場動向がその一つの鍵を握りそうだ。

無線LANビジネス研究会