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写真1●トゥ・ディファクトの小城武彦社長
写真1●トゥ・ディファクトの小城武彦社長
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写真2●本の購入を「通販のみ」とした消費者は5.7%
写真2●本の購入を「通販のみ」とした消費者は5.7%
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写真3●今後電子書籍で読める本が増えてもリアル店舗で「これまでと同じ頻度で購入」する消費者は63.0%
写真3●今後電子書籍で読める本が増えてもリアル店舗で「これまでと同じ頻度で購入」する消費者は63.0%
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 電子書籍の配信を手がけるトゥ・ディファクトは2012年5月17日、大日本印刷グループのオンライン書店「ビーケーワン(bk1)」と統合し、電子書籍と紙の書籍の両方を販売するハイブリッド型総合書店サービス「honto」を始めた。同社の小城武彦社長(写真1)は5月18日に開いた説明会で「紙からデジタルのリプレースではなく、本の新たな楽しみを提供して出版市場自体を拡大していきたい」と抱負を語った。

 新サービス「honto」では、紙の書籍を扱うリアル書店とオンライン書店、電子書籍を扱う電子書店のすべてのサービスを一つのプラットフォームに統合していく。同社調査によると、本の購入を「通販のみ」とした消費者は5.7%。「書店のみ」は40.4%、「書店と通販の両方」は52.3%と、書店の利用がいまだに多いという(写真2)。

 さらに「今後電子書籍で読める本が増えたとしても実店舗での書籍購入を続けるか」との質問に対しても「これまでと同じ頻度で購入」が63.0%、「頻度は減るが購入し続ける」が32.0%とリアル書店のニーズは根強い(写真3)。リアル書店は生活の中の身近な存在で、平積みや手書きポップによる新たな出会いもある。今後も電子書籍と紙の書籍、電子書店とリアル書店が共存していくと想定し、リアル書店とネット書店の両方の長所を生かしたハイブリッド型総合書店戦略を展開していく。

 まずネットサイト(honto)では電子書籍と紙の書籍の商品ページを統合して横断検索できるようにしたほか、リアル書店(丸善、ジュンク堂、文教堂)での購入分を含め、紙/電子を問わず購入した書籍をまとめて管理できる「マイ本棚」を用意した。ネットサイトとリアル書店で共通で使える「ハイブリッド型ポイントサービス」も始める。リアル書店の対応は6月下旬以降だが、まず首都圏旗艦店を中心に数店舗で始め、年内に100店舗まで拡大する計画だ。ポイントサービスで会員登録したIDに電子/紙、リアル/ネット書店/電子書店のあらゆる購入履歴をひも付けしてCRM(顧客情報管理)を展開していく。

 6月からはリアル書店における書籍の購入履歴を活用した各種リコメンドサービスも始める。リアル書店は嗜好性の強い雑誌の購入履歴が豊富にあるほか、過去7年にわたる併売情報を取り込んで顧客に提案していく。「書店は今までほとんどCRMを実施してこなかった。新しい書籍は年間7万タイトル以上も出ているにもかかわらず、顧客が知る機会はあまり多くない。サイン会の案内や書店員レビューなどリアル書店のノウハウを活用したサービスを展開していきたい」(小城社長)とした。

 さらに将来は店舗在庫を検索してワンボタンで取り置きできたり、紙と電子を組み合わせた商品を提供したりする計画。後者は版元との交渉次第だが、自宅は紙の書籍で、出先は電子書籍で読める商品を想定する。在庫切れ対策として商品が届くまで電子書籍を提供するアイデアなども披露した。

 トゥ・ディファクトは2010年12月設立で、大日本印刷が51%、NTTドコモが40%、丸善CHIが9%を出資する。2011年1月にNTTドコモのスマートフォン向けに開設した電子書籍サイト「2Dfacto」も名称を「honto」に変更する。