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写真●今後の経営方針を説明するNTT東日本の山村雅之社長
写真●今後の経営方針を説明するNTT東日本の山村雅之社長
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 NTT東西地域会社は2012年6月18日、新社長の就任会見を開いた。今後の経営方針として、NTT東日本の山村雅之新社長(写真)は光回線1000万件の顧客基盤の維持・拡大や新たな収益源の開拓を、NTT西日本の村尾和俊新社長は光サービスによる新しい文化の創造を掲げた。NTT東西は音声系収入の減少をIP系収入の増加でカバーできない厳しい状況が続いている。付加サービスの拡充や新規事業の開拓で早期に増収基調に転換したい考えだ。

 NTT東日本の山村社長が今後の取り組みとしてまず掲げたのが、光基盤の維持・拡大。最近は固定通信事業者間だけでなく、無線ブロードバンドとの競争も激しくなり「正念場を迎えている」。3月に始めた「にねん割」やポイント制度の拡充(関連記事)で長期利用を促し、今秋に予定する集合住宅向けライトメニュー(関連記事)でサービスの多様化にも取り組んでいく。「SOHO市場やDSL市場はまだ残っており、光への移行促進を図っていきたい」とした。

 次に掲げたのが、「光」「企業向けSI」に次ぐ第3の収益源の開拓。具体的には自治体向けクラウドサービスや料金回収代行のほか、不動産の活用促進、地図情報事業の拡大、過疎化や少子高齢化に伴う新規事業の創出などを挙げた。不動産の利活用では拠点集約などで空いた建物やフロアを他社に貸しており、既に年間100億円程度の収入があるという。設備費用の削減や保守業務の効率化、営業体制の見直しなどにも取り組んでいくとした。

 山村社長はこれまで、本社、長野、新潟、広島などで主に設備畑を歩んできた。新潟で設備の責任者を務めていた1989年末には、市内の中心街で2万3000回線を7時間30分に渡って止めてしまうという事故を起こしてしまったことがあるという。12月28日から復旧と原因究明、再発防止に取り組み、気付いたときには1月1日の午前3時になっていた。しっかりとした現場力がNTT東日本を支えていると痛感しており、「現場主義」がモットーとする。高部豊彦・前々社長が掲げた「現場力」、江部努・前社長が掲げた「つなぐDNA」の理念を継承し、「人と通信で地域をつなぐ会社として進化し続けたい」(山村社長)とした。

NTT西、提携強化でスピード感のあるサービス開発

 NTT西日本の村尾社長は「ライフスタイルの視点からサービスをデザインしていく」との考えを披露した。米アップルの故スティーブ・ジョブズ氏に大きな影響を受けていると前置きしたうえで、「顧客の求める価値が単なるものや機能から、体験へと変化しており、新しい生活の文化をデザイン(創造)していくことが重要」とした。

 そのためにはアライアンスを全面に打ち出した、スピード感のあるサービス開発が必要と考えており、4月に「アライアンス推進室」を設置済み。直前の3月には、グループの映像配信サービス(NTTぷららの「ひかりTV」)にこだわらず、「Hulu」と協業するなど攻勢に出ている(関連記事)。今後も様々なコンテンツ事業者と組み、スマートテレビを先取りしたサービスの展開に意欲を見せる。

 7月からは「ビジネスデザイン推進室」も設置する予定。通信に限らず様々なプレーヤーと提携し、ライフスタイルが変わるようなサービスを提供していく考えである。「提携先は大手に限らず、きらりと輝くものを持つところと組む。チャレンジを恐れず、すぐに交渉してできるだけ早く提供する。ただ2~3年できちんと評価し、芽がなければ大怪我しないうちに撤退する」方針だ。

 光回線事業では利用形態に合わせた多様な料金体系を検討しており、「頭の中には既にいくつかの構想がある」として早期提供を示唆した。このほか、新たな収益源としては、クラウドサービスの強化、スマートハウス/スマートタウン向け事業の展開、番号案内のノウハウを生かしたコンタクトセンターの支援ビジネスなどを挙げ、これらの収益を早期に最低2倍以上に伸ばしたいとした。

■変更履歴
NTTぷららの「ひかりTV」を当初、「フレッツTV」と、誤って記載していました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2012/06/18 21:35]