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 GIS(地図情報システム)を手がけるパスコは、2012年3月期(11年4月~12年3月)に「開示すべき重要な不備」があったことを内部統制報告書で公表した。開示すべき重要な不備は内部統制の整備・運用状況が有効でない旨を示すもので、J-SOX(内部統制報告制度)の簡素化以前は「重要な欠陥」と呼んでいた。「開示すべき重要な不備」として公表したのはパスコが初めて。

 パスコが「開示すべき重要な不備」としたのは、ソフトウエアに関する会計処理。同社が11年10月に支払ったソフトウエア関連支出のなかで、本来は費用として計上すべき処理を資産として計上していた。この支出はパスコが不正利用していたソフトウエアに対する損害賠償の和解金だったため、費用として計上する必要があった。

 不適切な会計処理が発生した理由について、パスコは「全社的な内部統制において、適正な会計処理および開示に対するコンプライアンス意識ないしリスク管理意識が不足していた」ことに加え、「取締役会に対して適切かつ十分な情報の伝達が不足していたことの不備による」などと説明。決算・財務報告プロセスにおいて、非定型の処理に関する理解や姿勢が不十分だったともしている。J-SOXでは期末日までに修正できれば「内部統制は有効」と判断できるが、不適切な会経理処理が期末日後である4月に発覚したため、パスコは修正できなかった。

 上場企業に対して財務報告に関する内部統制の整備・運用を求めるJ-SOXは、09年3月期に適用を開始。10年に企業負担の軽減を目指して制度の簡素化の議論を開始、11年3月に簡素化を踏まえた意見書を公表した(関連記事:2011年度からJ-SOXが簡素化へ、金融庁が意見書を公表 )。その一環として、内部統制の整備・運用状況が有効でない旨を示す文言を「重要な欠陥」から「開示すべき重要な不備」に変更したほか、財務諸表監査と内部統制監査の一体実施を促進する施策などを打ち出した。簡素化したJ-SOXは12年3月期から適用している。