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 2012年3月期決算企業の内部統制報告書の提出が6月末で終了し、10社が内部統制が有効でない旨を示す「開示すべき重要な不備」があったとした。10社はSJI、オリンパス、加賀電子、サンコーテクノ、大王製紙、大都魚類、タダノ、徳倉建設、パスコ、プリンシバル・コーポレーションである(関連記事:オリンパスと大王製紙、J-SOXの「開示すべき重要な不備」公表)。12年3月期は、内部統制報告書の提出を求めているJ-SOX(内部統制報告制度)の簡素化後、初の決算期となる。

 開示すべき重要な不備の理由として最も多かったのは、決算訂正につながる会計処理のミス。ITベンダーのSJI、特殊ネジ大手のサンコーテクノ、水産物卸の大都魚類、ゼネコンの徳倉建設、GIS(地図情報システム)のパスコ、天然資源開発投資事業や食品事業を手がけるプリンシバル・コーポレーションの6社が理由として挙げた。

 SJI、サンコーテクノ、プリンシバル・コーポレーションは子会社での会計処理や連結決算プロセスにおいて誤りが発生した。特定分野の会計処理に誤りがあったのが大都魚類だ。同社は退職給付の会計処理が不適切で、決算を訂正することになった。

 残りの4社が開示すべき重要な不備の理由として挙げたのは、不正行為の発生だった。オリンパスと大王製紙のほかに、加賀電子と建設用クレーン大手のタダノだ。加賀電子は国内子会社で、タダノは米国子会社で不正行為があったのを見抜けなかったことを開示すべき重要な不備に該当すると判断している。

 J-SOX適用初年度となった2009年3月期には56社が「内部統制が有効でない」と内部統制報告書で開示した。適用開始から3年が経過したのに加えて、制度の簡素化(関連記事:2011年度からJ-SOXが簡素化へ、金融庁が意見書を公表)により、内部統制が有効でないとした企業は5分の1に減ったことになる。

 12年3月期には開示すべき重要な不備を公表した10社に加えて、ラーメンチェーンを展開するホッコクが内部統制に関して「評価結果を報告できない」旨を公表した。同社では過年度における不適切な会計処理が判明し、「全社統制をはじめとして、業務プロセス全般の不備を改善する必要」があるとしている。しかし、その整備に時間がかかり、経理や財務の知識・経験を持つ要員を確保するのも困難だったため、「重要な評価手続きを実施することができなかった」とする。同社は11年3月期にも内部統制に関して「評価結果不表明」としていた。