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写真●ソフトバンクモバイル カスタマーサービス本部 札幌カスタマーコミュニケーションセンター 札幌センター課 課長代行の金澤 秀晃氏
写真●ソフトバンクモバイル カスタマーサービス本部 札幌カスタマーコミュニケーションセンター 札幌センター課 課長代行の金澤 秀晃氏
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 「当社(ソフトバンクモバイル)が始めた頃(2010年)は、国内での先行事例がなく、手探り状態で進めていた」。ソフトバンクモバイル カスタマーサービス本部 札幌カスタマーコミュニケーションセンター 札幌センター課 課長代行の金澤 秀晃氏は、Twitterによるカスタマサポートを始めた当時のことをこう振り返る。

 金澤氏は、日経BP社が東京・六本木で開催したイベント「モバイル&ソーシャルWEEK 2012」に講師として登壇。同社におけるTwitterによるカスタマサポートのポイントを解説した。金澤氏は現在は札幌のコンタクトセンターの立ち上げと運営に携わっているが、以前はソフトバンクモバイルのTwitterによるカスタマサポート「SBCare」の企画と立ち上げ、運用に一貫して従事。Twitter上でのカスタマサポートが語れる有識者の1人である。

 SBCareのTwitterサポートチームは、コールセンター内に設置。対応可能スタッフは約50人いて、常時約10人体制で実施している。SBCareのTwitterアカウントは総合窓口の役割である「SBCare」を含めて大きく3種類ある。これらのアカウントを使ってFAQ(よくある質問)や障害情報などをつぶやいたり、ユーザーにSBCare側から接触する「アクティブサポート」、ユーザーから発せられた質問などに答える「パッシブサポート」などを実施したりしている。1日あたりのツイート数は約350、ユーザーへの対応案件数は月間約2000件という。

 金澤氏が取り上げた大きな話題の1つはアクティブサポート。「ソフトバンクモバイルの携帯電話を使っていて困っている様子のつぶやきを書いていたり、疑問点をつぶやいていたりするユーザーを見つけた場合に、(サポート用のアカウントを使って)話しかける」(金澤氏)。

 従来のコンタクトセンターにおける電話や電子メールによるサポート、あるいは店頭における対面サポートは、基本的にはユーザーが行動を起こしてから始まるもの。つまり、企業側から見ればパッシブ(受動的)である。「一方、Twitterでは、困っている様子のユーザーを探してこちらから話しかけるという能動的なサポートができる。これは従来のチャネルにはない大きな特徴」と金澤氏は語る。

 アクティブサポートで期待できる効果はいくつかあるが、1つはユーザーにより高い満足度を提供できる可能性があることだという。ユーザーは話しかけられると思っていないし、何気なくつぶやいたことをきっかけに自分が抱いている疑問や不安が解消するかもしれない。こうしたことから、「ユーザーの期待値を上回る価値を提供できる可能性がある」(金澤氏)。また、こうした活動を通じてユーザーの不満が解消すれば、「解約へのリスクを低減できる可能性もある」(同氏)。

 アクティブサポートを進める上でのポイントは、ユーザーの気分を害さないように気をつけること。「ユーザーはこちらから話しかけられると思っていない。丁寧かつフレンドリーな対応を心がける、基本的に顔文字は使わないなど、ユーザーの立場を考慮した対応が大切だ」(金澤氏)。

 併せて、ユーザーに嫌われるリスクを常に考慮すべきだという。話しかけられたくないユーザーもいるからだ。「『我々は望まれていないかもしれない』という前提で対応している」(金澤氏)。社内では専用のTwitterクライアントを核としたサポートシステムを独自開発。Twitter上での応対履歴を管理し、ユーザーのTwitterアカウントごとに適した対応がとれるようにしているという。

 またSBCareは、Twitterだけでユーザーが抱えている疑問や課題を解決しようとしない、という考え方で運用しているという。そのユーザーの契約情報を確認しないと的確な回答ができないケースもあるからだ。SBCareではセキュリティ対策上、Twitter上での個人情報のやりとりはしていない。そこで契約情報の確認をする必要がある場合は、別途メールフォームのURLを送るなどして、電子メールや電話による対応窓口を案内する。

 金澤氏は、Twitterによるサポート窓口を開設するに当たっては、事前の検討を十分に重ね、「小さく始めて検証しながら大きくしていく」(金澤氏)姿勢が大切だと強調する。「顧客対応は想定外のことがたくさん起きる。だからこそ体制作りなどの入念な準備が欠かせない」(同氏)。

 モバイル&ソーシャルWEEK 2012(会場:六本木アカデミーヒルズ49)は、7月24日~26日の3日間の日程で開催した。