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写真●総務省関東総合通信局の吉田靖局長から免許を受け取る木村太郎氏
写真●総務省関東総合通信局の吉田靖局長から免許を受け取る木村太郎氏
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 2012年7月26日、V-Low防災デジタル・コミュニティラジオ検討協議会(会長は木村太郎氏)が行う逗子・葉山V-Low実験局は、関東総合通信局から免許を付与された。V-Lowマルチメディア放送については、総務省が2011年に行った実験計画のとりまとめによると全国7地域で計画されていたが、免許の付与は逗子・葉山V-Low実験局が初めてである。実験期間は2013年3月までを予定する。

 電波は、逗子・葉山コミュニティ放送の送信所から発射する。出力は2Wである。この2Wの出力は、「逗子・葉山コミュニティ放送のアナログFM局の出力20Wとエリアは同等と考えられる」としており、9月までを予定する実験の第1フェーズでは同一エリア内での電波伝搬調査を実施し、エリアに差異はないのかなど検証する。

 V-Low防災デジタル・コミュニティラジオ検討協議会は、このあと出力20Wへの変更申請を予定する。その上で第2フェーズとして、防災行政無線を補完するものとしてのV-Lowマルチメディア放送の性能検証を予定する。具体的には、J-ALERT(消防庁が整備した全国瞬時警報システムの通称。津波や地震など対処に時間的余裕のない事態が発生した場合に、通信衛星を用いて国(消防庁)から情報を送信し、市町村の同報系防災行政無線を自動起動するなどして、住民に緊急情報を瞬時に伝達する)とV-Lowマルチメディア放送を連動させ、緊急地震速報などの情報について「受信機が自動的に起動するフラグを電波に多重し、実際の起動を検証する」という。また、緊急地震速報のような情報は室内まで届くことが必要であり、出力20Wでの屋内電波到達の調査を行う。

 実験は、送信系統開発が営電、受信端末開発が加賀ハイテック、送信アンテナが日本アンテナが担当する。現在受信端末はモックだが、10月頃を予定する第2フェーズの開始時期までには開発する。11月に開催されるInterBEE2012に出展を予定しており、受信機を含めた展示を予定する。

 V-Low防災デジタル・コミュニティラジオ検討協議会は、1セグメントの帯域を使って、3チャンネルの音声のほかに、文字・静止画などを加えた放送を想定している。新ラジオに求められる防災機能として、「自動起動する」「遅滞なく緊急情報を伝えられる」「聴覚障害者にも伝える」の三つを上げている。自動起動はTMCCのEWSで、緊急情報の種類はPSI/SIで、詳細な災害情報は音声で伝送するという多重イメージを示している。

■変更履歴
当初、逗子を厨子と表記していました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2012/07/26 23:20]