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 米公正労働協会(FLA)は現地時間2012年8月21日、米Appleの製造工場における労働環境改善状況の監査報告を発表した。Apple製品の製造を手がける中国の富士康科技(Foxconn Technology)の工場で着実に改善策が実施されていることを確認したという。

 Foxconnは、台湾の鴻海精密工業(Hon Hai Precision Industry)が傘下に抱えるEMS(電子製品製造受託サービス)で、Appleのほか米Dellや米Hewlett-Packard(HP)製品の製造も手がけている。中国の深センにある工場では、2010年から2011年にかけて工員の自殺や死亡事故が相次ぎ、過酷な労働環境や管理体制をめぐってAppleなどの米企業側に社会的責任があるとして激しい非難が巻き起こった。

 これを受けAppleは2012年2月、FLAに製造工場の労働環境を調査するよう依頼。3カ所の施設を調査したFLAは3月に、超過勤務や賃金不足、安全衛生上の問題が多く見つかったと報告した(関連記事:Apple製品の中国工場で50以上の法令違反、公正労働協会が報告)。

 FLAが指摘した問題点について、AppleとFoxconnは2012年4月1日から2013年7月1日までの15カ月間にわたる詳細な是正プランを打ち立てた。今回の監査は2012年5月31日を期限とする対策項目の履行状況などについて、2012年6月25日から7月6日に調査した。

 監査報告書(PDF文書)によると、195項目の是正対策が予定通り完了しているほか、89項目が前倒しで終了している。来年にかけて実行する対策として76項目が残っている。

FLAのAuret van Heerden会長は「安全衛生面を含め必要な変更が行われていることを確認した」と述べている。具体的には、連続動作による体の痛みを防止する工具の採用、器具のメンテナンスポリシーの改訂、スプリンクラーなど緊急設備のテストなどが実施された。

 次の段階では中国の法律に準拠した勤務時間など、労働条件における主要な課題に取り組まなければならない。米メディア(CNET News.com)によると、Foxconnはすでに週当たりの労働時間(残業を含む)を60時間以内に改善しているが、法律では週当たり49時間以内と定めている。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]