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発表会場となったソウル市内のYeong Bin Gwan。
発表会場となったソウル市内のYeong Bin Gwan。
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今回発表された「SSD 840」シリーズの本体とパッケージ。
今回発表された「SSD 840」シリーズの本体とパッケージ。
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従来の「SSD 830」シリーズに対して、同840シリーズはコントローラーチップとNANDフラッシュメモリーが新しくなり、キャッシュは倍増した。コントローラーが3コアなのは同じ。
従来の「SSD 830」シリーズに対して、同840シリーズはコントローラーチップとNANDフラッシュメモリーが新しくなり、キャッシュは倍増した。コントローラーが3コアなのは同じ。
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Samsung Electronicsが示したSSD 840シリーズの性能。他社製品に対する優位性を強調した。
Samsung Electronicsが示したSSD 840シリーズの性能。他社製品に対する優位性を強調した。
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 Samsung Electronicsは2012年9月24日、SSDの新製品「SSD 840」シリーズを発表した。出荷は10月中旬で、予想実勢価格は上位モデルの「840 PRO」の256GBモデルが269.99ドル、下位の「840」の250GBモデルが199.99ドルから。国内の価格は未定だ。

 Samsung Electronicsは欧米とアジアから80名あまりのジャーナリストとブロガーを集め、韓国ソウルで発表会を開催した。同社のSSD部門としては初めての大規模な発表会だ。同社はパソコン向けOEMのSSDの市場で55%のシェアを持っているというが、「これから重要になるのはコンシューマー市場だ」と強調する。今回、SSDで大々的な発表会を開いたのは、コンシューマー市場にSamsung Electronics製SSDのブランドを浸透させる狙いがある。

 日経WinPCの独自テストで、Samsung Electronicsの「SSD 830」シリーズは「大量のデータを書き込んでも速度が落ちにくい」ことが分かっている。SSD 840シリーズはその後継製品だけに、仕様と性能が気になる自作PCユーザーは多いだろう。

TLCのNANDフラッシュメモリーを採用

 SSD 840シリーズの特徴は2つ。一つは新型のコントローラーチップ「MDX」を搭載したこと。もう一つは、下位モデルのNANDフラッシュメモリーにTLC(Triple Level Cell)を採用したことだ。

 MDXは、ARMのCortex-R4をベースにした3コアのコントローラー。ARM9ベースだった旧モデルの「MCX」コントローラーを置き換え、動作周波数も220MHzから300MHzに向上した。これにToggle対応NANDフラッシュと512MBに倍増したキャッシュメモリーを組み合わせることで性能を引き上げた。256GBモデル同士で比べると、旧モデルのSSD 830のランダム書き込み(QD32)が3万6000IOPSなのに対して、SSD 840 PROは9万IOPSに上がった(日経WinPCによるベンチマークテスト結果はこちら)。

 SSD 840 PROのNANDフラッシュはこれまでと同じMLCだが、同840はTLCを採用した。USBメモリーなどで採用が進んでいるTLCだが、これまでSSDのNANDフラッシュにTLCを採用した例はほとんど無い。TLCは1つのセルに3ビットを記録できるため、大容量化と低価格化を両立できる。その半面、MLCより書き換え可能回数が少なくなるのが欠点だ。

 同840 PROの容量が128G/256G/512GBなのに対して、TLCを採用したSSD 840は120G/250G/500GBと少しずつ少ない。これは、TLCを採用するため、Over Provisioningと呼ばれる予備領域を多く取ることで信頼性を確保しているからだ。今回、Samsung Electronicsは「TLCでも寿命は問題無い」としており、同製品に3年間の製品保証を付けている。今後、SLCからMLCへ移行したのと同じように、他のSSDメーカーが追随してTLCを採用するのか、動向が注目される。