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写真1●イー・アクセスの子会社化は“iPhone 5の1.7GHz帯対応”がきっかけと語る、ソフトバンクの孫正義社長
写真1●イー・アクセスの子会社化は“iPhone 5の1.7GHz帯対応”がきっかけと語る、ソフトバンクの孫正義社長
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 イー・アクセスを子会社化しようと決めたのは、9月18日の夜に「テザリングをやろうと考えた瞬間」――。ソフトバンクの孫正義社長は、株式交換によるイー・アクセスの完全子会社化(関連記事)に関する緊急記者会見の場でこのように発言した(写真1)。イー・アクセスを子会社化するディールの成立まで、わずか12日程度しかない急転直下の展開であったことを打ち明けた。

 当初、ソフトバンクモバイルから発売されるLTE対応のiPhone 5は、同社のネットワークのキャパシティーでは支えきれないとし、テザリングサービスを提供しないとしていた。しかし、同じLTE対応のiPhone 5を発売するKDDIがテザリングを提供すると発表したため、ソフトバンクモバイルは9月19日に緊急記者会見を開催。2013年1月15日から“後出しじゃんけん”の形でテザリングを提供するとしていた(関連記事)。

 孫社長がテザリング解禁を決めた裏には、イー・アクセスが持つ1.7GHz帯の周波数帯を手中に収める算段があった。実はこの周波数帯は、3Gの時代には世界的に活用する事業者が少なかったが、LTE時代に入り「LTE band 3(もしくは9)」として国際的に標準化され、価値が一変している(関連記事)。欧州や韓国、アジアの事業者はこの周波数帯でLTEサービスを開始し、その国際的な需要の高さから、人気機種であるiPhone 5(GSM model 1429)もサポートするまでになった。

写真2●ソフトバンクモバイルの2.1GHz帯2万局と、イー・アクセスの1.7GHz帯1万局でiPhone 5を支えられると強調
写真2●ソフトバンクモバイルの2.1GHz帯2万局と、イー・アクセスの1.7GHz帯1万局でiPhone 5を支えられると強調
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 この周波数帯をソフトバンクモバイルが手に入れることで、ソフトバンク自身が2013年3月までに置局するとしている2.1GHz帯の約2万局に加えて、イー・アクセスが1.7GHz帯で置局した約1万局を上乗せし、iPhone 5を収容できる(写真2)。これだけの基地局があれば、テザリングを解禁してもネットワークを落とさずに運用できると孫社長は踏んだわけだ。