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 総務省の諮問機関である情報通信審議会情報通信技術分科会の移動通信システム委員会は2012年10月2日、実効速度で1Gビット/秒の実現を目指す無線LAN規格「IEEE 802.11ac」の実用化に向けた技術条件案を固めた。5GHz帯周波数を使い、80MHzシステムで最大4チャネル、160MHzシステムで最大2チャネルを確保できるようにする。

 IEEE 802.11acは理論上、最大約6.9Gビット/秒の通信速度を実現する無線LAN規格。具体的には、(1)チャネル帯域幅を現行の40MHzから80MHzと160MHzに拡大、(2)MIMO(Multiple Input Multiple Output)の送受信アンテナを現行の4×4構成から8×8構成に拡張、(3)変調方式を現行の6ビット変調(64QAM)から8ビット変調(256QAM)に改善---などを施すことで実現する。

 IEEE 802.11acの規格はまだ策定中で、ドラフト4.0が今年9月に固まったばかり。当初の予定より若干遅れており、2013年3月のスポンサー投票を経て、最終的に2014年2月に規格化される見通しである。ただ要素技術は固まっているため、総務省は規格の標準化と並行して技術条件を検討。「1日でも早くIEEE 802.11acを使える環境を実現していく」(基幹通信課)考えである。

 そこで今年5月から5回にわたって技術条件を検討し、80MHzや160MHzシステムで使う際の最大空中線電力や等価等方輻射電力(e.i.r.p.)などを固めた。委員会の報告案として10月9日からパブリックコメントを募集し、11月末または12月中旬に答申を終える計画。無線設備規則などの省令改正を経て、早ければ来春にも使えるようになる。

 なお、IEEE 802.11acを使える帯域は、5.2GHz帯(5150M~5250MHz、屋内限定)、5.3GHz帯(5250M~5350MHz、屋内限定)、5.6GHz帯(5470M~5725MHz、屋内/屋外)。160MHzシステムの場合、必ずしも隣接したスペクトルでなくても可能となっており、上記帯域の任意の80MHz幅を組み合わせて使える。ただ、20MHzや40MHzシステムと混在した場合は送信の優先順位が下がるため、実際に80MHz幅や160MHz幅を使ってフルに恩恵を受けられる環境は限られることになる。