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写真●日本総合研究所の高橋進理事長 撮影:新関雅士
写真●日本総合研究所の高橋進理事長 撮影:新関雅士
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 「日本が抱えている課題の解決、改革の実行にはICTが不可欠。そのためにも『システム全体』を構築する能力を育てるべき」。日本を代表するエコノミストの1人、日本総合研究所の高橋進理事長はこう語る。

 2012年10月10日から12日まで開催しているICTの総合イベント「ITpro EXPO 2012」の基調講演で、高橋理事長は「新興国シフト、内需不振の時代を生き抜くビジネスモデル」と題して講演(写真)。日本を取り巻く環境を整理した上で、経済復興の鍵を握るICTの価値とICTに関わる人材への期待を語った。

 高橋理事長は低迷する日本経済を復興させる手段としてまず、製造業を支援しつつ、非製造業を伸ばすことを挙げる。「特に環境・エネルギー、医療・介護、農業という3つの分野が、日本の成長分野の柱。これらの分野で規制改革や構造改革を推進し、民間企業の投資が活発化するような環境を整備することが必要だ」。

 特に医療・介護分野については、社会保障関係の支出が財政を逼迫させている状況を踏まえ、改革の必要性を前面に押し出した。高橋理事長は「日本の財政はこのままだと10年もしないうちに行き詰まる。財政危機を脱するためにも、仕組み全体の作り直しが必要だ」と指摘する。

 民主党が政権を獲った2009年、政府は「新成長戦略」を描いた。この中で政府は、環境・エネルギー、健康(医療・介護)、観光・地域活性化の分野に重点的に力を入れて経済成長をめざすと明言している。高橋氏は「これを打ち出したことは高く評価すべき」とするものの、「その多くが実行に移されないまま政権が終わろうとしている」と残念がる。

 高橋理事長は電力システムの改革の必要性についても強く訴える。東日本大震災に端を発する電力関連の問題により、「電力料金の負担増や電力不足が懸念される」。そうした中で期待できるのがスマートグリッドだと言う。スマートグリッドの導入により、再生可能型エネルギーの導入、ピークシフトの実施など、様々な側面からのメリットが見込める。ただ高橋理事長は、「現状、スマートグリッドは実証実験ばかり」と、スマートグリッドを推進している先進諸国に比べて立ち後れている状況を懸念する。

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