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写真1●スプリント・ネクステル買収を発表するソフトバンクの孫正義社長(左)とスプリント・ネクステルのダン・ヘッセCEO(右)
写真1●スプリント・ネクステル買収を発表するソフトバンクの孫正義社長(左)とスプリント・ネクステルのダン・ヘッセCEO(右)
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写真2●スプリント・ネクステルの事業概要(ソフトバンクの発表資料から抜粋)
写真2●スプリント・ネクステルの事業概要(ソフトバンクの発表資料から抜粋)
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 ソフトバンクは2012年10月15日、米携帯電話3位のスプリント・ネクステルを買収すると発表した(関連記事)。買収額は201億ドル(1兆5709億円)で、スプリント・ネクステルの約70%の株式を取得する。FCC(連邦通信委員会)をはじめ、各当局の承認を経て2013年半ばに買収を完了する見通し。発表会に登壇した孫正義社長は、「成長のダブルエンジンを得た」と買収の意義を力説した(写真1)。

 1兆5709億円の買収資金は手元資金と借入金でまかなう。スプリント買収の報道が出たことで、先週金曜日からソフトバンク株価の下落が続き、15日には昨年9月28日以来となる約1年ぶりに時価総額がKDDIを下回った。孫社長は財務不安を払しょくするため、「既存株主の皆様へ伝えたいことがある」として、「取得資金調達のための新株発行や転換社債などのエクイティファイナンスは一切実施せず」「配当方針に変更なし」「純有利子負債を早期削減」の3点を真っ先に説明。途中で「僕に言わせれば、今こそが買いだ、今買わずしていつ買うのか」といった発言も飛び出した。

 スプリント・ネクステルの契約者数は6月末時点で5600万件と米国3位(写真2)。AT&Tワイヤレスの1億520万件、ベライゾン・ワイヤレスの9420万件に大きく離され、11年12月期まで5期連続の最終赤字と業績が伸び悩んでいる。ただ昨年10月からiPhoneの販売を始めたほか、今年7月には1.9GHz帯でFDD-LTE方式の「4G LTE」を開始するなど、矢継ぎ早にテコ入れを進めている。

 発表会にかけつけたスプリント・ネクステルのダン・ヘッセCEO(最高経営責任者)によると、「売上高と契約者数は上位2社に大きく離されているが、2008年から業績回復に向けて再建を進めており、直近の通信収入・ARPU(契約当たり月間平均収入)の成長率はともに第1位」という。スプリントとネクステルで重複したネットワークをスプリント側に一本化してコストを削減、LTEの展開にも力を入れていく。同社はかねて、通信設備の強化方針「Network Vision」を打ち出しており、FDD方式のLTEは2013年末までに全国展開する予定となっている。これらの取り組み強化により、2014年以降は利益成長フェーズに入るもくろみだ。