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 日本放送協会(NHK)と日本テレビ放送網、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビジョンの在京6テレビ放送事業者は2012年11月22日の会見で、東京スカイツリーへの送信所移転の手順を発表した。

 在京6事業者は、放送エリアの受信環境を向上するなどの理由から、送信所を東京タワーから東京スカイツリーに変更する。東京スカイツリーの移転によって、送信アンテナの設置場所の高さは約600メートルとなる。東京タワーの送信アンテナよりも高い場所に設置することで、「据え置き型テレビの受信環境が改善されるだけでなく、ワンセグを安定的に受信できるエリアも大幅に拡大する」(TBSテレビ 常務取締役の豊中俊榮氏)という。

 ただしごく一部の世帯では、放送波の送信元が東京スカイツリーに変わることにより、受信障害が発生する場合があるという。例えば、遮蔽物の影響などで地上波が届く方角が変わったり、ブースターによって東京スカイツリーからの電波が強くなり過ぎたりすると、「番組が映らなくなったりブロックノイズが発生するケースがある」(NHKの理事・技師長の久保田啓一氏)。こうした場合は、アンテナ方向を調整したり、ブースターの設定を変更したりするなどの対策が必要になる。

 受信障害が発生する恐れがあるのが、関東広域圏の視聴世帯(約1500万世帯)のうち、アンテナで直接放送波を受信している500万世帯弱である。「これまでの経験則から、ほとんどの世帯では影響を受けないと考えている」(NHKの久保田氏)という。ケーブルテレビやIPTVを通じて地上波を視聴している世帯については、対策はケーブルテレビ事業者らが講じるため、受信対策の必要はない。

12月22日から毎週土曜の早朝に試験放送、受信障害世帯をあぶり出しへ

 今回の受信障害は、在京6事業者の都合による送信所移転が原因となる。このため、送信所移転が原因で発生する受信障害への対応は、費用負担を含めて放送局側で行う。

 まず受信障害世帯を把握する必要があることから、2012年12月22日から2013年1月下旬にかけて毎週土曜日の4時58分から5時までの2分間、試験放送を実施する(12月29日は除く)。試験放送ではミニ番組を提供する。この番組では、まず送信所移転により受信障害が発生する可能性があることを告知し、問題がある場合は「東京スカイツリー受信相談コールセンター」(運営は東京スカイツリー移行推進センター)に連絡するように呼びかける。

 ミニ番組の途中で放送波の送信元を東京タワーから東京スカイツリーに一時切り替えて、各局の放送波(合計7波)を問題なく受信できるかどうかを視聴者に確認してもらう。東京スカイツリー移行推進センターは受信相談に対応するほか、必要に応じて工事業者を手配し、受信障害世帯のブースターの調整などの対策を行う。

 昼間など視聴者が多い時間帯で試験放送を行うかどうかについては、「試験放送の反応などを見ながら今後検討していく」(TBSテレビ 社長室担当局長の井川泉氏)とした。放送回数も、今後の検討の対象にする。送信所移転は、2013年5月ごろを予定する。具体的な移転日時などは改めて公表する。