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写真●情報処理推進機構(IPA)IT人材育成本部ITスキル標準センターの秋元裕和センター長
写真●情報処理推進機構(IPA)IT人材育成本部ITスキル標準センターの秋元裕和センター長
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 ITエンジニアを対象としたスキル調査を実施しているITスキル研究フォーラム(iSRF、過去の開催記事)は2012年11月27日、東京都内で第18回のセミナーを開催した。

 この中で、情報処理推進機構(IPA)IT人材育成本部ITスキル標準センターの秋元裕和センター長(写真)は「ITスキル標準(ITSS)と共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)の関係を明らかにする」というテーマで基調講演を行った。IPAが策定し、普及を推進しているITSSやCCSFといった基準の現状と、今後の方向性について語った。

 秋元センター長は、「10年前に策定されたITSSは依然として有用だが、『クラウドコンピューティング』に代表されるIT業界の大きな変化に対応しきれていない」と指摘した。IPAは、2008年に新たに策定したCCSFのフレームワークと、昨今の技術動向を踏まえて、ITSSの改訂についての検討を進めている。

 ITスキル標準の観点で見ると、クラウド時代には「専門特化よりも『マルチスキル』の重要性が増す」(秋元センター長)。米Amazonがクラウドサービスを提供しながら物販事業も営んでいるように、クラウドサービス提供者と利用者の垣根は低くなっている。その内部で求められるIT人材の質も変化しつつあるというわけだ。さらに、クラウド基盤の運用には高度な技術が不可欠だが、少数精鋭の技術者がいれば大規模な基盤を運用できるため、相対的に運用以外に携わるIT人材に需要が移りやすい事情もある。

 こうした状況では、「システム運用に特化した人」「ビジネスコンサルティングに特化した人」よりも、「システム運用からビジネスコンサルティングまで幅広く分かってマルチスキルを発揮できる人」が求められる。

 今後、この前提でITSSの改訂が進められるが、ITSSでは既に「セールス」「コンサルタント」「ITアーキテクト」「プロジェクトマネジメント」など11の職種が定義されている。秋元センター長は「改訂に当たっては、新たな職種を次々と追加するよりも、既存のスキルモデルを生かして、複数の職種にまたがるスキルをこなせる人材像の典型例(テンプレート)を提示するようにしたい」と説明した。

 このテンプレートには、該当する人材像に必要な「システム化推進体制の確立」「業務運用評価指標の確認」といったスキルモデルが含まれる。これを今後、IPAが実施する情報処理技術者試験のカリキュラムにも反映していくとした。