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図1 送信設備(PAやOFDM変調機など)
図1 送信設備(PAやOFDM変調機など)
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図2 受信の様子(左がDXアンテナの小さなSTBタイプ,右が山形カシオの安心安全端末)
図2 受信の様子(左がDXアンテナの小さなSTBタイプ,右が山形カシオの安心安全端末)
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図3 EWS信号を受信して音やランプ,文字で知らせる様子
図3 EWS信号を受信して音やランプ,文字で知らせる様子
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 近畿V-Low実証実験協議会は,2013年1月16日に実証実験の見学会を開催した。

 近畿V-Low実証実験協議会は,2011年12月に大阪市や加古川市などの自治体と,阪神電気鉄道などの民間企業が中心になって設立された。無線設備の設置場所として,大阪市北区(期間は2012年12月から13年1月)と加古川市(1月から2月)であり,今回の見学会は,大阪市における実証実験の内容である。

 送信設備は,大阪市北区のハービスOSAKAにあるエフエムキタの送信室に設置してある。加盟各社や,放送事業者から各種装置を借りて,送信設備は構成した。

 まず音源としては,コミュニティFM局であるエフエムキタの放送信号をデジタル変換して利用した。エンコーダ装置は文化放送から借用した。

 さらに,阪神電鉄のフリーペーパーや沿線案内、観光情報の文字データを、ネクストウェーブのIPDCソフトを使ってIP化したあと,アストロデザインの機器でIP-TS変換し,情報ソースとして活用した。

 日立国際電気から,Rb発信機や励振機,PA(パワーアンプ)を借用し、営電から多重化装置やOFDM変調機を借用した。出力は100Wである。阪神電車の元町の駅(兵庫県神戸市)で受信できることを確認できていると説明した。

 受信デモは,少し離れた新阪急ビル内のオフィスで行った。受信系統は,安心安全端末として山形カシオが開発した端末と,DXアンテナが開発した小さなSTBタイプの2種類を用意した。DXアンテナの開発品は,ネクストウェーブのIPDC向け受信用ソフトが搭載されており,無線LAN経由でタブレット端末やサイネージ端末に受信コンテンツを転送し表示した。さらに,毎日放送がエリアワンセグ「茶屋町TV」で実施しているコンテンツを,V-Low波で流し,凸版印刷が開発した電子ペーパーによる超低消費電力のサイネージに表示した。

 デモでは,通常時を想定して流されるエフエムキタの音声を山形カシオの端末が再生,途中でTMCC信号が送信されると山形カシオとDXアンテナの端末が同時にランプを光らせ,警報音を鳴らした。

 ただし今回デモを行った部屋は電波を遮蔽する構造だったため,窓際で電波を受信したあと有線で信号を送信していた。実際には,送信アンテナと異なる向きだが反射を拾う形で窓際に置いた端末で直接受信できていた。なお,EWS信号挿入の自動化は開発が間に合っておらず,デモでは手動で行っていた。

 山形カシオはV-Low受信端末の開発にいち早く着手した企業の1社だが,受信感度の向上などを図る形で,次世代の試作品の開発を進めていることなどが報告された。

 今後は,今回の大阪での実験に使った装置を加古川市に持ち込んで,さらに実験を続ける予定である。