PR
写真1●秋葉原のUDXギャラリーネクストに9チーム26人が集まった
写真1●秋葉原のUDXギャラリーネクストに9チーム26人が集まった
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●初代王者は杉浦社長(左)自ら参加したネットエージェントの社内チームAgent IV
写真2●初代王者は杉浦社長(左)自ら参加したネットエージェントの社内チームAgent IV
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●優勝したAgent IVはフォレンジックスと雑学で満点を獲得
写真3●優勝したAgent IVはフォレンジックスと雑学で満点を獲得
[画像のクリックで拡大表示]
写真4●ラックの新井悠氏(右)や山崎圭吾氏など著名なセキュリティー技術者も参加した
写真4●ラックの新井悠氏(右)や山崎圭吾氏など著名なセキュリティー技術者も参加した
[画像のクリックで拡大表示]

 2013年2月2日から3日にかけて、国内のセキュリティー技術者が知識と技術を競う競技会「CTFチャレンジジャパン 2012」の決勝大会が、秋葉原のUDXギャラリーネクスト(東京・千代田)で開かれた(写真1)。12年11月から全国4か所で開かれた地方予選を勝ち抜いた9チームが2日間を戦った。不正アクセス被害の解析や証拠保全技術などを手掛けるネットエージェント(東京・墨田、杉浦隆幸社長)の技術者チーム「Agent IV」が初代王者に輝いた(写真2)。

 2日間にわたる決勝大会の競技は、各チーム4人までの技術者からなる団体戦で行われた。マルウエアなど不正なソフトの動作や脆弱性の解析技術を競う「バイナリ解析」、不正アクセスなどの痕跡を分析する「フォレンジックス」、サーバーへの侵入・防御技術を競う「サービスアタック」など、セキュリティー技術の6ジャンルにそれぞれ4問ずつの課題を用意。合計24問、6000点満点の課題をいかに素早く、たくさん解けるかで競われた。

 点数の低い易しい課題から順に解いていかないと次の課題が見えない「クイズグランプリ」方式。ただ、ある課題をクリアすると、他のジャンルの課題がオープンになるといった仕掛けもあり、メンバーの技量や得意分野に合わせて、どの課題から取り組むかといった戦略性も問われた。

 優勝したAgent IVは得意のフォレンジックスと雑学で満点。バイナリ解析と暗号解読でも稼ぎ、合計3600点を得て逃げ切った(写真3)。2位の「Sutegoma2」は合計3100点、3位の「Enemy10」は2600点。いずれも雑学で満点、他分野でもまんべんなく点を稼いだが、一歩及ばなかった。4位の「チーム☆ゆかひぃ」は1600点。セキュリティー大手ラック(東京・千代田)の社内チームで、サービスアタック分野で参加9チーム中唯一の満点を獲得、面目を保った。社会人中心の大会にあって唯一、学生だけで臨んだ名古屋大学情報科学研究科の「hnp6」は900点で5位。すべての分野で正解するなど健闘した。

 CTFは「Capture The Flag(旗取りゲーム)」の意味で、米国の著名なセキュリティー技術会議「DEFCON」で余興のイベントとして始まった競技会。現在では世界のいろいろなセキュリティー団体が企画、セキュリティー技術者の腕試しの場の代名詞として定着している。中でも本家の「DEFCON CTF」の決勝戦は最高峰とされ、各チームは与えられた模擬サーバーを防御しつつ、他チームのサーバーに隠された「フラッグ」を奪い合う攻防戦形式で競われる。これに先立つ予選は今回の大会と同じく、課題を解くスピードを競う方式で戦われる。

 今回のCTFチャレンジジャパンは経済産業省の主催で開かれた。セキュリティー技術者の育成に、CTFのようなセキュリティー競技会がどう役立つかを実証するのが目的。決勝戦は与えられた課題を解くスピードを競う形式が採られたが、東北地区の予選で、攻防戦形式を採るなどの試みもなされている。

 大会閉会式で挨拶に立った経産省商務情報局情報セキュリティ政策室の上村昌博室長は、「予選を含めると約50チーム、約150人が参加した大きな大会になった。参加者の9割が『また参加したい』と述べており、大会の継続に自信が持てる結果を得た」と話す。

 優勝したAgent IVにはネットエージェントの杉浦社長が自ら参加。2位のSutegoma2にはWebセキュリティーの専門家で、海外CTF大会への参加経験が豊富な福森大喜氏、4位の「チーム☆ゆかひぃ」にはラックの新井悠氏や山崎圭吾氏が顔を見せるなど、国内屈指のセキュリティー技術者が勢揃いする華やかな大会になった(写真4)。

 上村室長によると、来年度以降は日本ネットワークセキュリティー協会(JNSA、東京・港、田中英彦会長)が運営を引き継いで開かれる予定。関係者によるとJNSAが主催協力し、現在は主に学生を対象に開催されているCTF大会「SECCON CTF」に合流する形になりそうだ。なお、SECCON CTFは12年2月を皮切りに既に4回の地方大会を実施済み。2月23日~24日の日程で、地方大会の上位チームを集めた全国大会が東京電機大学の千住キャンパス(東京・足立)で開かれる予定だ。