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写真1●2012年4~12月期連結決算を発表する三田聖二社長
写真1●2012年4~12月期連結決算を発表する三田聖二社長
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 日本通信が2013年2月4日に発表した2012年4~12月期連結決算は、売上高が前年同期比2.4%増の28億8200万円、営業利益が同36.5%減の1億6400万円と、増収減益だった。SIM製品の販売は順調だが、新規ビジネスへの開発投資がかさんだ。2月5日に決算説明会を開いた日本通信の三田聖二社長(写真1)は、「SIM市場よりはるかに大きなモバイルソリューション市場の開拓に向けて今期の利益を積極的に投資し、リーダーシップを取っていく」との方針を示した。

 現在、取り組みを強化している分野は、(1)M2M(Machine to Machine)向け接続サービス、(2)企業向けIP電話サービス、(3)端末メーカーと連携したSIM内蔵製品の提供の3つ。

 (1)は、ATM(現金自動預け払い機)や計測器などを携帯電話回線経由で企業につなぐサービス。インターネットから攻撃を受けない安全性に加え、複数回線を併用して信頼性を確保する。MVNO(仮想移動体通信事業者)としてKDDI(au)やソフトバンクモバイルとも相互接続し、NTTドコモの回線と組み合わせて提案する考えだ。

 (2)は、スマートフォンにIP電話ソフトを入れ、会社の電話番号で発着信できるサービス。社内の固定電話への着信と同時にスマートフォンを呼び出すほか、スマートフォンからの発信も会社の呼制御サーバー経由とする。呼制御サーバーとの連携が必要なため、シスコシステムズをはじめ、複数のベンダーと準備を進めている。「2013年度第1四半期(4~6月)には営業活動を始めたい」(福田尚久副社長)とする。

 (3)は現状、SIMカード単体の販売が中心だが、訴求できる顧客は限られる。端末メーカーと連携し、SIMフリー端末にあらかじめ同社のSIMカードを組み込んだ提供形態を検討している。2012年度の四半期ごとのSIMカード出荷数は5万件前後で推移しているが、SIM内蔵製品の提供で底上げを図る。様々なメーカーと協議しており、「半年以内に数社出てくる。Windowsタブレットの話も多い」(福田副社長)という。

 今回の決算では前回に続き、通期業績予想を下方修正した。従来予想は売上高42億5000万円、営業利益5億5000万円だったが、売上高38億7200万円、営業利益1億6400万円に引き下げた。ただ、再三の下方修正を避けるため、あらゆるリスク要因を盛り込んだ保守的な見通しになっている。