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写真●富士通の山本正已社長
写真●富士通の山本正已社長
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 富士通は2013年2月7日、2013年3月期の連結業績予想を下方修正し、最終損益が950億円の赤字になりそうだと発表した(関連記事)。従来は250億円の最終黒字を見込んでいたが、一転して赤字に転落する。不振の半導体事業の再編費用などで2012年10~12月期に871億円の特別損失を計上し、2013年1~3月期にも欧州事業などで構造改革費用が発生することを織り込んだ。

 連結売上高予想も前期比2.2%減の4兆3700億円(従来予想比500億円減)へ引き下げた。「為替による増収効果があるが、(PCや携帯電話などの)ユビキタスソリューションや、(半導体を中心とする)デバイスソリューションで減収となる」と加藤和彦CFO(最高財務責任者)は説明した。営業利益予想は1000億円のまま据え置く。

 採算が悪化しているシステムLSIについては、パナソニックと共同で新会社を設立し、事業を移管することで基本合意したと発表した。富士通の100%子会社である富士通セミコンダクターとパナソニックのシステムLSI事業を統合し、マーケティングや設計・開発機能に特化する。新会社への出資や融資については、日本政策投資銀行と協議を行っている。主力の三重工場の300mmラインについては、台湾TSMCを含む新ファウンドリー企業への移管を検討する。半導体事業再編に伴い、約4500人の転籍を予定する。

 半導体事業以外でも、早期退職や外部リソース削減を含め国内外で約5000人の人員削減に踏み切る。さらに営業部門などへの人員配転や、役員や幹部社員の報酬カットも行う。記者会見した山本正已社長(写真)は「来年度以降の急速な回復のために必要な措置だ。思い切ったリソースシフトを行い、コスト構造の徹底的な見直しにより体質を強化する」と強調した。

 人員対策に加えて、本社組織のスリム化やサプライチェーン改革などのコスト削減活動を強化する。「確実に年間400億円の損益改善を達成したい。2015年度に営業利益2000億円以上、純利益で1000億円以上を目標とする」と山本社長は述べた。

 併せて発表した2012年4~12月期の連結決算は、売上高が前年同期比1.6%減の3兆1200億円、営業利益は同65.2%減の35億円と減収減益になった。