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 大和ハウス工業はグループ企業向けのシステム導入作業を複数同時に進行させるマルチプロジェクト体制を敷くに当たり、CCPM(クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント)を採用した。大和ハウス工業が2013年2月末に明らかにした。

 同社は約1年前の2012年4月、独SAP製のERPパッケージを使った基幹業務システムを稼働させた。現在、このシステムをグループ各社に横展開するプロジェクトを進めている。横展開する先は、大和ハウス工業グループに属するグループ会社7社。稼働開始時期は来月(2013年4月)を予定している。

 パートナーとなるITベンダーは富士通グループ。富士通は、前段となる大和ハウス工業本社における基幹業務システムの構築も担当した。両社はこのプロジェクトの管理手法にCCPMを適用し、開発フェーズとテストフェーズで2.5割~3割弱の工期短縮に成功した(関連記事)。

 グループ7社へのシステム導入プロジェクトにもCCPMを適用する理由は、マルチプロジェクト環境下でCCPMの適用効果がいっそう期待できると考えたため。一般的に、複数のプロジェクトを同時に走らせると、進行状況の把握や人員の再配置などの難易度が高まる。CCPMを適用して、各プロジェクトの状況をより正確に把握できるようにし、マルチプロジェクト環境下で増大しがちな納期遅れのリスクを低減させることを狙う。

 CCPMとは、TOC(制約条件の理論)の提唱者である故エリヤフ・ゴールドラット氏が考案したプロジェクト管理手法。(1)「安全余裕」を取り除いた短い工期を設定する、(2)安全余裕を省いて短縮した分の工期は「バッファ」として集約管理する、(3)遅れたタスクについてはタスクの優先順位を明確にしながら、問題解決や人員などの再調整を素早く実施する、といった特徴を持つ。

 日程をきつめに設定することで、現場の担当者は日程の遅れやリスクとなり得る要素を積極的に報告・相談するようになる。これによりマネジャー層はプロジェクトの納期遅れにつながる問題を早期に発見できる。また、バッファがある限りは納期遅れにはならないので、現場での前向きな雰囲気が維持できるというメリットもある。

 今後、大和ハウスは基幹業務システムをグループ37社に対して横展開する計画。37社への導入の完了は、2015年ごろを予定している。