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写真●金融庁企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議
写真●金融庁企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議
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 日本におけるIFRS(国際会計基準)適用の在り方に関して議論している金融庁企業会計審議会は2013年4月23日、総会・企画調整部会合同会議を開催した(写真)。合同会議はこのところ4~6カ月に1回のペースで開催していたが、今回は前回(関連記事:「中間的論点整理を順番に検討」、金融庁審議会がIFRS適用方針を議論)開催の1カ月後に開催。金融庁が、IFRS任意適用要件の緩和や、IFRSの各基準について採択を検討する「カーブアウト」など、具体的な検討課題案を提示した。

 合同会議で、金融庁は「国際会計基準への対応について当面検討すべき課題」という14ページの資料を公表。ここで「単一で高品質な国際基準を策定するという目標への協力が重要」「会計基準の国際的な調和に向けた努力は継続」「IFRS策定への日本の発言権を確保」「IFRSの内容に日本として受け入れがたい項目がある」「米国の動向など国際情勢に不確実性が存在する」といった前提のもと、日本の当面の対応の方向性を検討すべき項目を挙げた。

 具体的には、(1)IFRS任意適用要件の緩和、(2)原則主義の下でのIFRS任意適用時の不確実性に対応するための方策、(3)IFRSに関して的確に意見発信していく方策(例えば、サテライトオフィスを有効活用するための方策)、(4)IFRSの個別基準を検討・採択するプロセス設置の検討、(5)IFRSの個別基準に関する適用の是非の検討、(6)単体開示の負担軽減策の検討、である。これらの多くは「中間的論点整理」で挙がっていたものだ。

「任意適用要件の緩和」はほぼ同意

 検討項目の中で、委員がほぼ同意したのは(1)の任意適用要件の緩和である。現在、IFRSを任意適用しているのは、計画中を含めて17社。日本経済団体連合会の推計では約60社になる。現行では任意適用の要件として、株式を上場していることや、資本金20億円以上の海外連結子会社を有することなどがある。

 これに対し、金融庁には「上場と同時にIPOを目指す企業が財務諸表をIFRSに基づいて作成できるようにしてほしい」「海外に子会社がない企業についてもIFRSの使用を認めてほしい」との要望が来ているという。

 IFRSの強制適用でなく、任意適用を拡大していくという考え方は、審議会でたびたび委員が指摘していた。今回の検討案は、本格的にこの方向を考えていくというものだ。

 2011年にIFRS適用方針の見直しが始まるまで、日本は2009年の中間報告(我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告))に基づき、IFRSの強制適用に向けた議論を進めていた。現時点でも、IFRS強制適用の可能性がなくなったわけではない。今回の合同会議では、何人かの委員から「ある時点で強制適用になるのではないか、と企業が恐れる状況を何とかできないか」との意見も出たが、金融庁側は「強制適用の可否判断については、まだ議論が必要」という見解を示すにとどまった。