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 政府のIT総合戦略本部は2013年5月24日、新たなIT戦略案を取りまとめた。2週間のパブリックコメントを経て、6月中旬に同本部で正式決定する。

 新戦略は、IT産業の振興や政府システムの構築について、主に18年~21年をめどに実現する目標を示したもの。このうち電子政府については、主に三つの戦略を示した。以下、概要を説明する。

1:利便性の高い電子行政サービスの提供

 番号制度(マイナンバー制度)の導入に伴って、これまで申請に必要だった各種証明書を不要にするなど、利用者視点で行政の業務を見直す。国の業務範囲だけでなく、地方の業務まで含めてBPR(業務プロセス改革)や行政サービス改革を行う。

 インターネットを通じた行政手続きでは、税申告や社会保険など、年間利用件数の多い手続きを中心に、より使いやすいシステムに改善する。例えば、ICカードに依存した認証システムを見直し、生体認証、金融機関など民間企業が発行するIDによる認証、スマートフォンなど個人端末による認証などを検討する。

 行政情報のオープン化(オープンデータ)の施策では、地理空間情報や統計情報といった公共データを二次利用しやすい形で提供し、民間による新サービスの創出を促す。

2:行政情報システムの改革

 複数の省庁で重複するシステムを集約・統合して、現在約1500ある情報システムをほぼ半減させる。例えば、人事・給与システム(現行は組織ごとに約120システム)や、Webサイト運用(現行は約370システム)の機能を集約する。

 さらに、現在は約2万台のサーバーで運用している政府システムを、2013年3月から運用を始めた仮想化環境「政府共通プラットフォーム」へ集約させる。これらの施策で、年間約4000億円とされる政府システムの運用コストを約3割減らす考えだ。

 業務システムの効率化に加え、各省庁が個別に持つネットワークインフラを一本化する「全国行政基幹ネットワーク網」の構築を目指す。今後1~2年かけて調査研究を行い、ネットワーク統合の方向性を定める。

 これまでは各省庁が地方の出先機関を含めて独自にネットワークを構築し、その一部を「霞が関WAN」と呼ばれる広域網で連結する構成だった。このため、霞が関から地方まで、複数の省庁ネットワークが重複して敷かれていた。これを一つに集約することで、ネットワークの運用コストを削減するほか、前述の政府共通プラットフォームへも容易にアクセスできるようにする。地方自治体向けのネットワーク「LGWAN」との統合も視野に入れる。

3:政府によるIT統制の強化

 政府システムの司令塔である政府CIOの権限強化に加え、第三者の視点で政府システムを評価する枠組み(評価委員会)を導入する。

 財務省や総務省による従来の審査プロセスに加え、政府CIOが主導する評価委員会による事前・事後の評価プロセスを導入する。これにより、費用対効果の明確化、システム導入の前提となるBPRの徹底、限られたIT予算の戦略的配分、といったIT統制を利かせやすくする。

 省庁によるシステム調達の能力を高めるため、政府職員へのIT研修プログラムを充実させ、年間1万人のIT人材を政府部内で育成する。