PR
写真●可搬型の「メッシュ接続対応コグニティブ無線ルーター」
写真●可搬型の「メッシュ接続対応コグニティブ無線ルーター」
[画像のクリックで拡大表示]

 独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)は2013年5月28日、「コグニティブ無線技術」と「無線メッシュネットワーク技術」を搭載した無線ルーター(写真)を開発したと発表した。複数のルーターが自動的に相互接続(メッシュ接続)して通信経路を設定し、インターネットに直接接続することが困難な場所でも、メッシュネットワークを介してIP通信を中継する機能を有する。さらに、同ルーターが構成する通信インフラにIP-PBX(一般加入者電話との音声通話を中継する交換機)を接続することで、無線LAN端末と固定電話/携帯電話との通話が可能になり、災害時に電話網が被災した場合でも音声通話の手段が確保できるとする。

 今回開発した「メッシュ接続対応コグニティブ無線ルーター」は、インターネット接続、ルーター同士のメッシュ接続、無線LAN接続の3つの無線接続機能を持ち、無線LANアクセスポイントとしてIEEE 802.11a/b/g/n方式の接続を提供する。

 インターネット接続用にLTEおよびWiMAXの通信モジュールを実装。電波状況に合わせて最適な通信方式を自動選択する技術(コグニティブ無線技術)を導入している。また、ルーター間のメッシュ接続では、メッシュネットワークプロトコルの1つであるOLSRを採用し、OLSRの制御パラメータを独自開発のメッシュマネージャーによって動的に変更することで、利用負荷や電波干渉による無線通信品質に適応したメッシュ接続を可能にする。

 同ルーターで構築した通信インフラに、IP-PBXを接続すると、無線LAN端末と、固定電話/携帯電話との間で音声通話が可能になる。この音声通話ネットワークはクラウド上の統制プラットフォームで管理される。クラウド上で、無線ルーターの位置やメッシュ接続の構成情報を収集して電波伝搬シミュレーションを実施し、新たな無線ルーターを相互干渉なく配置できる位置を決定する。

 さらに情報通信研究機構は、可搬型のコグニティブ無線ルーター(写真)のほかに、高速移動通信に対応するIEEE 802.11pやUHF帯を利用するIEEE 802.11afでメッシュ接続する車載型のコグニティブ無線ルーターも開発した。災害時には、クラウド上での電波伝搬シミュレーションに基づき、可搬型および車載型のコグニティブ無線ルーターを被災地に配置して、迅速に広域メッシュ無線LANインフラを構築することを想定している。