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 総務省は2013年6月18日、「放送コンテンツ流通の促進方策に関する検討会」(コンテンツ流通検討会)のとりまとめを公表した。コンテンツ流通検討会は、「実演家関連WG」と「音楽関連WG」を設置し、新たな市場開拓に向けた海外におけるコンテンツ発信の場の確保や、権利処理の効率化などの具体的方策に関して検討を進めてきた。

 「実演家関連WG」は、権利処理の効率化について、実演家についてはインターネット配信に関する「事前の許諾」を得るなどの協力を得て作業を効率化する取り組みを海外展開でも活用すべきとした。番組出演に関する諸条件をより明確化して、放送直後の海外展開に関する許諾を併せて事前に取得する仕組みを導入することで、「権利処理の一層の効率化が期待される」という。

 「事前の許諾」以降の権利処理については、映像コンテンツ権利処理機構(aRma)が管理する実演家については、ここで集中的に管理すべきとした。その際、円滑な権利処理の実現のため、「事前の許諾」の対象となった放送番組に関する権利処理に必須となる諸情報が、「番組放送後速やかに放送事業者からaRmaに対して提供される仕組みの実現を急ぐべき」としている。

 これらの取り組みは、実演家および放送事業者において一定のコスト負担増を伴うため、一部の番組から先行して行う方針を示した。複数を「特定番組」として選定し、その番組での効果を検証しつつ、段階的に対象番組を拡大する。「行政としては2013年度予算以降継続的に、上記のコスト負担を軽減するための措置を講じ、対象番組の拡大を促進していくものとする」という。

窓口機関や権利処理データベースなどで原盤権の権利処理を推進へ

 「音楽関連WG」は、放送コンテンツの海外展開で「DVD化」や「送信可能化」を含む場合、原則としてコンテンツを展開する国・地域ごとにレコード会社の現地法人の許諾が必要となるという現状があるとした。そのうえで海外展開に関する原盤権の権利処理の円滑化には、「原盤権の権利処理に係る窓口機関を設置するとともに、できるだけ多くの原盤をカバーする権利処理データベースを整備し、料率などの権利処理ルールを策定することが必要」とした。

 原盤権については、レコード会社によって自社で権利処理を行うことが可能な原盤の範囲や対象地域に大きな差がある。さらに、現状では権利処理に関するコストを負担するための前提である放送コンテンツの海外展開のビジネスが十分な実績を上げられていない状況にある。

 このため、レコード会社や放送事業者などが協力して行政の支援の下、可能なところから実証実験として暫定的なルールに基づく権利処理の円滑化に着手すべきとした。「海外展開ビジネスの実績を積み重ねつつ、窓口機関の設置や権利処理ルールの策定について効果や課題等を検証することが適当」という。

 実証実験では、日本レコード協会を窓口として原盤権処理の円滑化の取り組みを進める。実験は3年間をメドとし、課題の優先度および難易度を踏まえ、フェーズを分けて実験内容の組み立てを行う。

 今回の取りまとめには、実演家関連WGと音楽関連WGの具体的な取り組みについて、「権利処理の効率化の取り組みは実演家と音楽の両分野について同時並行的に行われることが望ましい」という文面も盛り込まれた。さらに権利処理の効率化以外に、海外展開にかかわる市場拡大策についての事項も含んでいる。

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