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写真●明治大学文学部教授の齋藤孝氏(写真:井上裕康)
写真●明治大学文学部教授の齋藤孝氏(写真:井上裕康)
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 「せーの、テンション、修正、確認、天守閣!」。来場者全員が立ち上がり、その場でジャンプ。首や肩を回して体をほぐし、掛け声がかかると同時に笑顔で叫んだ。これがIT関連セミナーとは信じられないほどの朗らかな活気が会場を包み込んだ。

 「IT Japan 2013」の2日目は、「声に出して読みたい日本語」「質問力」「人はチームで磨かれる」などの著書で知られている明治大学文学部教授の齋藤孝氏による基調講演で幕開けとなった。「ビジネスに生かせるコミュニケーションの技術」をテーマに、仕事の中でチーム力を高めるための実践的な手法を次々と提示し、来場者が互いに対話する実習の時間も設けた。冒頭の標語“天守閣”やジャンプを含む体の動きこそが、社内のコミュニケーションを活性化する極意であるという。

 チームで成果を上げるためのポイントは「ほぐれていること」。社内会議などで活気がない人が集まると、当然ながら盛り上がらず、良いアイデアも生まれない。「ビジネスは頭でやるような気がするが、本当は場を暖めるための身体性を一人ひとりが身に付けることが必要」と齋藤氏は指摘する。具体的には、話者の「目を見る」こと。さらに「微笑む」「うなずく」「相槌を打つ」ことが重要という。

 特に「微笑む」については「男性は生物学的に45才を過ぎると不機嫌そうに見えるという宿命を追っている。とりわけ上機嫌にしていて初めて普通に見える」と注意を促した。上機嫌という“作法”を身に付けるうえでは、声を出して笑うこと、さらには手を叩いて称賛の意を示すことを心がけるべきという。

 「目を見る」「微笑む」「うなずく」「相槌を打つ」の4つを活用することで、相手との信頼関係を構築しやすくなる。齋藤氏は、1対1の対話だけでなく、会議の中で1人が複数人に話しているときでも「人数にかかわりなく1対1の関係を築くことが大事。10人であれば1対1の線を10本作るべき」と指摘する。このほか、同じ相槌を繰り返すと不快に感じられる可能性があるので相槌を10種類ほど用意すること、信頼関係を高めるためには会話の中に相手の名前を入れることなどのコツも付け加えた。