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写真●ユナイテッドアローズの相川慎太郎事業支援本部デジタルマーケティング部部長(写真:新関雅士)
写真●ユナイテッドアローズの相川慎太郎事業支援本部デジタルマーケティング部部長(写真:新関雅士)
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 創業から24期連続で増収、直近2期は過去最高益を更新して業績好調のユナイテッドアローズ。同社の相川慎太郎事業支援本部デジタルマーケティング部部長は2013年7月23~25日に都内で開かれているイベント「MOBILE&SOCIAL WEEK 2013」の初日に「ネット通販 店舗連動の取り組み」と題して講演(写真)。2013年3月期にはネット通販の売上高が119億円と、全売上高の11.2%を占めたにもかかわらず、「当社はネットを販売チャネルとは考えていない。依然として売り上げの90%は店舗が占めるため、ネットは店舗への顧客誘導手段であり、再来店促進手段であると割り切って考えている」と大胆に語った。

 それでもユナイテッドアローズの顧客は店舗だけを利用する人よりも、店舗とネットを併用して買い物を楽しむ人の方が年間購入金額の平均が約3倍も大きいという。店舗とネットの併用者はネットの売り上げが加わる分だけ年間購入金額が大きいのは当然だが、注目すべきは店舗での購入金額。「店舗だけの利用者より約2.5倍も店舗での購入金額が大きい」(相川部長)。つまり、ネットとの併用者は、それだけユナイテッドアローズの熱烈なファンであるということだ。

 ネットを店舗への送客手段と位置付けるため、ユナイテッドアローズはネットで店別の在庫を検索できるようにするなど、連動を進めている。2009年には1日1回の在庫データ更新だったが、今は1時間半に1回の更新頻度に高めて、ネットでもリアルタイムに近い店頭在庫を検索できるようにしている。「それでも日中の在庫は常に動いており、ネットを見て来店したが在庫切れという状況はまだある。この点は改善していきたい」(相川部長)。

 ネットは店舗への送客手段と言いつつも、ネットでの販売も強化している。店頭で試着をしたがその場では買わなかった商品があった場合、店員は来店客に商品番号を書いたカードを手渡して、気になったらいつでも自社サイトから、この商品番号で商品を検索できることを伝えている。こうして店舗の接客コストを店舗以外の場に還元していく。

 また、一部ネット通販用の在庫とユナイテッドアローズの物流拠点にある在庫を「在庫管理システム」を介して連動させた。ネット用の在庫が品切れでも、物流拠点の在庫をすぐに引き当てられるようにしている。こうして売り逃しを防ぐ。

 こうした在庫の融通ができるのは、事業本部ごとに「EC(電子商取引)担当部署」を設け、各事業本部が店舗とネットの両方を見るようにしているからだ。売り上げと在庫の責任を各事業本部に持たせている。店舗とネットで組織を分けていない。

 今後はネットから店舗での試着の予約ができたり、ネットから注文した商品を店舗で受け取れたりする施策を拡大していきたいという。

 ユナイテッドアローズは2006年に一度、自社サイトでネット通販を始めたが、わずか1年で撤退した苦い経験を持つ。そのときは「ネットは店舗とは別の市場と考え、サイト名もユナイテッドアローズを名乗らず、商品も店舗とは違うものを用意していた。それは間違いだった」(相川部長)。一度は撤退したネットを2009年から現在の「店舗連動型」で仕切り直し、軌道に乗せた。

■変更履歴
5段落目「ネット通販用」とあったのは「一部ネット通販用」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2013/07/24 11:00]