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写真1●埼玉県、企画財務部、情報システム課のメンバー。システム基盤担当主査の清水定広氏(左)、課長の加藤信次氏(中央)、システム基盤担当主幹の日向野伸弘氏(右)
写真1●埼玉県、企画財務部、情報システム課のメンバー
システム基盤担当主査の清水定広氏(左)、課長の加藤信次氏(中央)、システム基盤担当主幹の日向野伸弘氏(右)。
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 埼玉県は、県内400拠点をつなぎ職員約1万3000人が利用する県庁LANシステムを2013年2月に刷新した(写真1)。システム構築を手がけたSIベンダーのネットワンシステムズが、2013年8月7日に発表した。

 新システムでは、情報系システムを仮想化環境に集約したほか、WAN回線を高速化して共有ファイルサーバーを導入、情報漏えいリスクを低減させた(写真2)。構築費用は、今後5年間の運用保守を含めて7億3200万円(税込み)。

写真2●システムの概要(出典:ネットワンシステムズ)
写真2●システムの概要(出典:ネットワンシステムズ)
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 システム刷新の主なポイントは、メールやファイルサーバーなどの情報系アプリケーションを再構築し、同時にこれらのサーバー基盤を仮想化環境へと集約したことである。従来は、Windows標準のメールソフト(POPアクセス)やイントラネット(簡単な文書共有Webサーバー)を利用してきたが、今回新たにグループウエアやファイルサーバーを導入して業務効率を高めた。仮想化環境への移行では、物理サーバー台数が半減したほか、耐障害性が向上した。

Webメール(IMAP)と全社ファイルサーバーでデータをセンターに集約

 情報系アプリケーションの再構築ではまず、グループウエアを新規に導入した。「INSUITE」(ドリーム・アーツが開発)である。同製品を選択した理由は、分野別のWebポータルを構築するために採用したオープンソースのCMS(Webコンテンツ管理)ソフト「Joruri CMS」との親和性の高さ。INSUITEの採用に伴い、INSUITEのWebメール機能(IMAP)を利用するための要件として、それまで使っていたメールサーバーソフトをPostfixからqmailに置き換えた。

 ただし、qmailに置き換えたことで、問題も発生した。埼玉県では、メールフィルタリングソフト「GUARDIANWALL」(キヤノンITソリューションズが開発)を使って、CC(カーボンコピー)に含めたあて先アドレスの数が設定上限を超えないように転送制御をかけている。ここで、設定上限を超えたメールを送信元に通知する際に、qmailを使うと、CCの人数分のメールが個別に送り返されてしまうという。「対策を検討中」(ネットワンシステムズ)である。

 新規の情報系システムとしては、全職員で共通して利用するファイルサーバーも導入した。県内にある約400個所の拠点からWANを介してアクセスする。これに伴い、本庁舎と拠点をつなぐWAN回線も、従来の広域イーサネット(主に1Mビット/秒)からIP-VPN(ベストエフォートの100Mビット/秒)へと高速化している。データをファイルサーバー上に保管することで、ローカル環境から情報が漏えいするリスクを減らすことができる。