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写真1●モバイル空間統計の商用化イメージ。店舗への来訪者の分析などに役立てられるという
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写真2●モバイル空間統計で施される秘匿処理
写真2●モバイル空間統計で施される秘匿処理
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写真3●モバイル空間統計のこれまでの検証の歩み
写真3●モバイル空間統計のこれまでの検証の歩み
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 NTTドコモは2013年9月6日、モバイルインフラの運用で発生する大量のデータを使った人口統計情報「モバイル空間統計」を10月1日から商用化すると発表した。公共分野におけるまちづくりへの活用や、学術分野における仮説の裏付け、産業分野における商圏調査などへの応用を目指す(写真1)。

 ドコモのグループ会社であるドコモ・インサイトマーケティングが、モバイル空間統計を活用した調査・分析レポートを作成する。料金は調査規模によって変動し、「市町村単位の規模の小さな調査は数百万円、全国規模の大規模な調査は数千万円といったイメージになる」(NTTドコモ スマートライフ推進部ビジネス基盤推進室の江藤俊弘ビジネス戦略担当部長)。調査にかかるかかる期間は、およそ2~3カ月。今後5年間で数十億円規模の売り上げを目指すという。

 「モバイル空間統計」とは、ドコモが2008年春から進めてきた研究開発プロジェクトだ。モバイルインフラを運用することに伴って基地局側が周期的に把握する必要がある端末の位置情報を、人口の地理的、時間的な変化の推計に応用。社会の様々な課題解決に役立てるという目的で始まった(関連記事:NTTドコモが巨大マイニング設備構築)。

 端末の地理的、時間的な変化に、端末契約者の年齢・性別などの属性を加えることで、曜日や時間帯ごとの年齢・性別に区切った特定エリアへの人口の動的な変化を把握することができる。

 一方でこのようなデータは、利用者のプライバシーに関わる部分も大きい。そこでモバイル空間統計では、利用者のプライバシーを保護するために、個人を識別できなくなるような処理を施している。さらには特定エリアの流入人口が少なかった場合、個人の特定を避けるために、当該エリアのデータを削除するといった秘匿処理も施しているという(写真2)。

 このような運用方針は、総務省がライフログ活用についての民間の自主的なガイドライン策定のための指針として打ち出した「配慮原則」に基づく。なお運用データをモバイル空間統計に用いられたくないユーザーは、活用を停止することも可能となっている。

 ドコモではこのようなモバイル空間統計の有用性を検証するために、自治体や学術機関との実証実験を続けてきた(写真3)。「有用性の検証を通じて、なるべく早いタイミングでの実用化を目指してきたが、その準備が整ったので10月から開始することにした」(江藤担当部長)という。

 実際にモバイル空間統計を元に調査・分析レポートを作成するドコモ・インサイトマーケティングは、ドコモと市場調査会社であるインテージとの共同出資によって2012年4月に設立された。現在社員数は36人で、「いわゆるデータサイエンティストというよりは、市場調査や戦略立案に資する加工データ作りにノウハウを持つ人材をそろえている」(江藤担当部長)。このような人材が、モバイル空間統計のデータを説得力の持つデータに加工し、顧客のニーズに応えていくという。

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