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写真1●ガートナージャパン・リサーチディレクターの鈴木雅喜氏
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写真2●ITpro編集長・中村建助
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写真3●鈴木氏は対談の中でCDOの重要性を強調した
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 「新しいデジタル・ワールドが急速に広がっている」---。2013年10月9日から東京ビッグサイトで開催されている「ITpro EXPO 2013」のメインシアターで、ガートナー ジャパン リサーチ部門 ITインフラストラクチャ&セキュリティ リサーチ ディレクターの鈴木雅喜氏は、ITpro中村建助編集長との対談「新しいデジタル・ワールドの到来が意味するもの」に登壇し、このように述べた。

 鈴木氏は「現在、デジタルという言葉が新しい意味を持ち始めた」と指摘。スマートフォンやタブレット端末、ソーシャルメディアといった新しいデジタルテクノロジーが急速にコンシューマ向けに普及し、大きな変革のうねりを起こしている状況と、その変革の波が、今、まさに企業のシステムにも取り込まれつつある状況を説明した。

 中村の「具体的にはどのような技術がどんな変化をもたらす可能性があるのか」という問いを受け、鈴木氏は「クラウド」「ソーシャル」「モバイル」「情報(ビッグデータ)」の4つの新しいテクノロジーを挙げた。「それらが結びつくことにより、より大きな変革の力となる」(鈴木氏)。ガートナーが提唱する「The Nexus of Forces(力の結節)」である。

 鈴木氏の指摘は、まさに現在の社会の状況を示しているものだ。あるタクシー会社の事例を取り上げ、スマートフォンとGPSを連携させて、利用者の位置情報に応じた効率的な配車システムが開始されていることを紹介。「スマートフォンとGPSを組み合わせただけではなく、そこにドライバーの応対を利用者が採点できる仕組みも取り込んだ。このようにソーシャルを組み合わせたことが大きい」(同)と解説した。まさに4つの力が組み合わされた例である。これにより、そのタクシー会社は他社とは異なるサービスを確立し、新たな顧客層を取り込むことに成功したという。

 中村も「今や誰もがスマートフォンを持ち、ソーシャルを活用する時代だ。企業の評価もブランドも、それによって大きな影響を受ける」とし、鈴木氏が指摘した4つの力の組み合わせが、今後ますます企業活動に取り込まれていく可能性が高まっていることを指摘した。鈴木氏もその状況に同意。「モバイルが市場を席巻する世の中になる。モビリティがもたらす変化を過小評価する企業は競争力を著しく失う。今後はすべてのモノがインターネットにつながる時代が来る」と語った。

 それに対し、中村は「身の周りのモノが全てインターネットに接続する社会というのは想像できる。ただ、企業活動に置き換えると、それで何が起こるのか、IT部門の役割はどう変わるのか」という疑問を提示。鈴木氏は「それらを踏まえた大きな変革が起きつつある。IT部門が主導でシステムを導入する時代ではなく、業務部門とも連携しなくてはならなくなる。その連携を含めて、全てを統括できるCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)という役職のリーダーが企業には必要になる」とした。

 鈴木氏は最後に「現在のデジタルテクノロジーの進化は人々の暮らしも企業の活動をも巻き込む、これまでにない大きな変革をもたらす。その変革こそデジタル・ワールドの到来だ。その変化に柔軟に対応するにはCDOの存在が重要」と語り、対談を締めくくった。