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 企業会計基準委員会(ASBJ)や日本経済団体連合会(経団連)などは2013年11月8日、IFRS対応組織である「アジェンダ・コンサルテーションに関する協議会」を「IFRS対応方針協議会」に改組すると発表した。日本の市場関係者が一体となった形でIFRS対応を強化する。IFRS任意適用の積み上げを支援する狙いもあるとみられる。2009年に発足した「IFRS対応会議」(関連記事:ASBJや経団連が「IFRS対応会議」設置、強制適用時の課題を検討)の活動は、同協議会が引き継ぐ。

 IFRS対応方針協議会に参加しているのは、ASBJ、経団連のほか、日本公認会計士協会、東京証券取引所、日本証券アナリスト協会、財務会計基準機構(FASF)、金融庁、経済産業省、法務省。事務局はFASFと金融庁が務める。

 同協議会の前身であるアジェンダ・コンサルテーションに関する協議会は、IFRSの策定主体である国際会計基準審議会(IASB)が実施した「アジェンダ・コンサルテーション」に対する日本としての意見発信を狙い、2011年10月に設置された。アジェンダ・コンサルテーションは「今後3年間で、IASBはどのようなテーマ(アジェンダ)を検討すべきか」を決めるためのもので、2011年7月から2012年12月まで実施した。

 日本側は協議した結果、「OCI(その他包括利益)とリサイクリング」「公正価値測定の適用範囲」「開発費の資産計上」「のれんの非償却」「固定資産の減損の戻入れ」「機能通貨」という六つの項目を「アジェンダとして取り上げるべき」との意見書をIASBに提出した。これらは、日本の会計基準とIFRSとの主要な差異としてよく挙がるもので、現在策定が進んでいる日本版IFRS(J-IFRS)でも論点の候補となっている。

 その後、IFRSの策定に対して助言する新たな会議体であるASAF(会計基準諮問フォーラム)がIASBに設置される(関連記事:IFRS策定に対して助言する新会議が発足、日本がメンバーに選出)など、IFRSを取り巻く状況が変化している。こうした変化に備えるためには、日本の関係者が一体となったIFRS対応組織の強化が必要と判断した。

 加えて、金融庁が10月にIFRS任意適用の条件緩和を正式発表したことを受け(関連記事:IFRSの採用可能企業が4000社超へ、金融庁が条件緩和を正式発表)、IFRS任意適用企業の増加が見込まれており、その支援体制を強化する狙いもあるようだ。11月8日付のプレスリリースでは、IFRS任意適用の積み上げに向けた各団体の取り組みにも言及している。

 IFRS対応方針協議会は従来のIFRS対応会議の活動のほか、同会議のもとに設置されていた国際対応委員会の活動を継承する。このほか、教育・研修委員会の活動は会計教育研修機構(JFAEL)が、翻訳委員会と広報委員会の活動はFASFがそれぞれ引き継ぐ。個別財務諸表開示検討委員会は廃止となる。