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 日本通信は2014年2月28日、端末の位置登録などに利用する「HLR(Home Location Register、3G用)/HSS(Home Subscriber Server、LTE用)」の接続をNTTドコモに申し入れたと発表した。今後、両社で条件を協議していくが、接続が実現すれば、MVNOのサービスの多様化が進みそうだ。

 日本通信は現状、NTTドコモのHLR/HSSを利用している。独自のHLR/HSSを接続して自前で運用すれば、位置情報と連動したサービスを展開できる。端末の接続場所に応じて特定情報を配信したり、特定サイトに誘導したりする用途が考えられる。

 ただ、同社の最大の狙いは、「様々なタイプのSIMカードを独自に導入、制御することにある」(幹部)。現状はNTTドコモが提供するSIMカードを使うが、HLR/HSSの自前運用により、プロファイルを遠隔から書き換えられる「Embedded SIM」や大容量メモリー搭載のSIMカードなどを採用できるようになる。

 例えば、前者は端末が国や地域をまたいだ際に、SIMカードを入れ替えなくても現地の携帯電話事業者に切り替えられる(ローミングが不要)。後者はメモリーにサービス関連情報や地図情報などを格納しておくことで、ユーザーの利便性を高められる。もちろん、実現には他の障壁もあるが、まずはHLR/HSSの自前運用を目指す。現状はnano SIMの新たな取り扱いだけで、NTTドコモとの交渉・実現に半年程度の時間を要し、自前運用の効果は大きいとする。

 さらに今後は、加入者識別番号(IMSI)だけでなく、「080」や「090」などの携帯電話番号(MSISDN)もMVNOに直接割り当ててもらうことを要求していく。現状は、NTTドコモから設備を借りると、同社に割り当てられた電話番号を使うことになる。これがMVNOへの直接割り当てとなれば、固定発携帯をはじめとした音声通話の料金設定権を得られ、サービスの自由度が高まるという。もっとも、こちらに関しては規則改正が必要なので実現のハードルが高い。ただ、総務省は現在、競争政策の見直しを進めており、実現を積極的に呼び掛けていく考え。