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 電気通信事業者協会(TCA)は2014年4月7日、今後は契約数の月次公表をやめ、各社による四半期ごとの公表に切り替えると発表した。理由は、「携帯電話の市場が成長期から成熟期に移行したことで一定の役割を終えた」(TCA)ため。

 月次公表の中止については、ソフトバンクモバイルの提案で2012年にも検討したことがあった。だが、NTTドコモとKDDIが反対。結局、ソフトバンクモバイルも大手3社で唯一公表しないことによるイメージ低下を避けるため、公表を続けた経緯がある。

 ソフトバンクモバイルは今回、NTTドコモとKDDIの意向に関係なく、月次の公表を中止すると一方的に通達したという。最近は携帯大手3社による行き過ぎたキャッシュバック競争が問題視されている。月次公表を続けて競争をあおっているとの見方が浮上すれば、今度はNTTドコモとKDDIがイメージ低下の影響を受けかねない。NTTドコモに続き、KDDIも月次公表の中止を受け入れた。

 携帯各社が公表する純増数には、通信モジュールやMVNO(仮想移動体通信事業者)などの契約分が含まれており、競争状況を把握するための指標として「純増数の比較は意味がない」との指摘も多い。

 例えば、2014年3月の純増数はソフトバンクモバイルが64万9500件、NTTドコモが51万5500件、KDDIが49万4600件。このうち、通信モジュールの内訳はNTTドコモが6400件、KDDIが4万3200件、ソフトバンクモバイルが15万9400件で、通信モジュールを除いた純増数ではNTTドコモが1位となる。

 そのNTTドコモの純増数にはMVNOの契約数が多分に含まれている。最近では「格安SIM」としてMVNOの人気が高まっており、大手になると月間純増数は1万件超。「数万件の後半に届くくらい」(NTTコミュニケーションズ)といったMVNOも存在する。これらの上積みで“実力値”が大きく見えている側面もある。

 さらに今後は、M2M(Machine to Machine)やIoT(Internet of Things)などの契約が増えていく。“実力値”がますます見えにくくなることは間違いないが、四半期の開示に切り替えてもこの状況は変わらない。むしろ、通信モジュールやMVNOなどの契約分を詳細に開示するのが本来の筋であり、携帯各社には改めて検討を期待したい。