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写真●左からアサヒビールの松浦端経営企画本部経営企画部デジタルコミュニケーション戦略室長、アサヒGHDの知久龍人IT部門ゼネラルマネジャー、アサヒプロマネジメントの光延祐介業務システム部業務グループ担当課長
写真●左からアサヒビールの松浦端経営企画本部経営企画部デジタルコミュニケーション戦略室長、アサヒGHDの知久龍人IT部門ゼネラルマネジャー、アサヒプロマネジメントの光延祐介業務システム部業務グループ担当課長
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 アサヒグループホールディングス(アサヒGHD)がビッグデータの活用に本腰を入れ始めた。ビッグデータ活用を推進する専門組織が旗振り役になり、在庫を減らしたり、営業のPDCA(計画・実行・検証・見直し)サイクルを素早く回したりする仕組みを構築し始めた。まずは中核のアサヒビールで始め、実績を積み上げたうえで、飲料や食品といったグループ各社に展開したい考えだ。

 2014年2月、アサヒGHDは日本オラクルの「Oracle Endeca Information Discovery」という構造化データと非構造化データを組み合わせて分析できるソフトを導入した。2013年にアサヒビールに設置した「デジタルコミュニケーション戦略室」が主体になって、「データに基づいた意思決定を社内に広く根付かせる」(アサヒビールの松浦端経営企画本部経営企画部デジタルコミュニケーション戦略室長、写真)。

 まずアサヒGHDは、中核のアサヒビールの二つの業務でデータ活用を始めた。一つが物流業務における在庫の適正化だ。アサヒビールの倉庫から卸売店に出荷するデータだけでなく、小売りのPOS(販売時点情報管理)データなども統合して分析し、需給計画に反映する。例えば、アサヒビールの倉庫から卸に商品が数多く流れているにも関わらず、POSデータの売れ行きが伸び悩んでいれば、「流通在庫がたくさんある」と判断し、製造計画に素早く反映するといった具合だ。従来は需給担当者の勘と経験に頼る部分が大きかったという。

 もう一つが、営業部門におけるPDCAサイクルの迅速化だ。アサヒビールの売り上げデータや販促データ、営業日報などを組み合わせて分析し、販促施策の立案や小売店とのやり取りに活用する。例えば、商品軸で売り上げの推移や販促チラシの配布数などを確認したり、営業日報から気になる言葉の出現頻度を割り出したりできる。既にこの春から、大阪の一部で実験的に始めている。

 アサヒGHDの知久龍人IT部門ゼネラルマネジャーは、「まずは成功事例を積み重ね、社内の理解を得たい」と話す。アサヒビールの小路明善社長の意向もあり、今後も「スピード」を重視してビッグデータ活用を進める考えだ。