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図1●要望書の要旨
図1●要望書の要旨
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図2●3項目を問題点と指摘
図2●3項目を問題点と指摘
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図3●現行制度の趣旨を逸脱していないか
図3●現行制度の趣旨を逸脱していないか
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図4●2パターンを示しNTTグループの再統合・一体化を懸念
図4●2パターンを示しNTTグループの再統合・一体化を懸念
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図5●大手事業者による固定通信市場の支配を招く危険ありと指摘
図5●大手事業者による固定通信市場の支配を招く危険ありと指摘
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図6●設備競争が果たしてきた役割(1)
図6●設備競争が果たしてきた役割(1)
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図7●設備競争が果たしてきた役割(2)
図7●設備競争が果たしてきた役割(2)
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図8●情報通信審議会 2020-ICT基盤政策特別部会で議論を要請
図8●情報通信審議会 2020-ICT基盤政策特別部会で議論を要請
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 ケーブルテレビ事業者および光通信事業者らは連名で、総務大臣あての「NTTによる光アクセスのサービス卸に対する要望」を、2014年6月5日に総合通信基盤局長の吉良裕臣氏に提出した。連名の数は、220社を超えた。同日、ケイ・オプティコムやジュピターテレコム(J:COM)、日本ケーブルテレビ連盟らが合同記者発表を行った。

 要望書の要旨は、「光サービス卸が競争環境に及ぼす影響について、公の場で議論を尽くしてほしい」「公正な競争を阻害しないように必要な制度的な措置を講じてほしい」「制度的措置が講じられるまで、同サービスが提供されることのないようにNTTを指導してほしい」というものである(図1)。

 要望書では、「現行制度の趣旨から逸脱する可能性がある」など主に3項目を問題点に挙げる(図2)。

 まず第一に、光サービス卸はボトルネック設備を利用するもので、競争に及ぼす影響は大きく、現行制度の趣旨を逸脱していないか十分に検証が必要とする(図3)。現在、相互接続により光アクセス回線を借りる場合は、総務大臣が認可した接続約款に基づく必要があり、条件や料金が示されている。公平な条件であり、取引の透明性が担保されているとする。ところが、光サービス卸は相対取引となり、条件や料金を自由に設定できる。このため、取引に透明性がないと主張した。要望書では、「ボトルネック設備である第一種指定電気通信設備を用いたサービスでありながら、卸電気通信役務としてなんら制約なく提供することについて、制度および競争上の問題がないのか慎重に検討する必要がある」と記載している。

 第2の問題点として、NTTグループの実質的な再統合、一体化につながると指摘する。会見では、二つのパターンを例示した(図4)。一つは、NTT東西が卸会社となり提供する光アクセスを、NTTドコモが小売会社として販売するケースである。市場シェア1位のドミナント事業者間の連携により市場支配がさらに拡大すると懸念する。第2のパターン例が、NTT東西が光サービス卸を提供し、例えばNTTドコモが移動卸(LTE卸)などを提供し、新会社などがそれを束ねるといったケースである。この結果、事実上のNTT再統合につながると主張した。

 第3の問題点として、設備競争の消滅につながると主張した。大きな顧客基盤をもつ携帯電話事業者やその他の大規模プレーヤーが相応の設備投資リスクを負うことなしに、こぞって光サービス卸を利用する事態を招く可能性があり、携帯電話事業者をはじめとする大規模プレーヤーの参入による固定通信市場の市場支配を招きかねないとした(図5)。

 要望書では、我が国の固定通信市場は、設備競争とサービス競争の両面から公正競争を促進することで健全に発展してきたという。料金やサービスの多様化(図6)、あるいはサービス信頼性の向上(図7)といった効果をもたらしたが、NTTの光サービス卸は、競争事業者の設備投資インセンティブを著しく損ない、設備競争を消滅させるものであると主張する。

 こうした理由から、現在開催されている情報通信審議会 2020-ICT基盤政策特別部会において2020年代にふさわしいICT基盤を実現するために必要な政策は何かという観点でNTT東西の光サービス卸について十分に議論し、必要に応じて制度的措置を講じてほしいと主張した(図8)。