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写真●米EMC、アドバンスドソフトウエア部門SDS/ScaleIO担当、バイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャーのBoaz Palgi(ボアーズ・パルギー)氏
写真●米EMC、アドバンスドソフトウエア部門SDS/ScaleIO担当、バイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャーのBoaz Palgi(ボアーズ・パルギー)氏
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 EMCジャパンは2014年6月18日、SDS(ソフトウエア・デファインド・ストレージ)を実現するための製品群を発表した(写真)。一つは、複数サーバーの内蔵ストレージを束ねて共有ブロックストレージを構成する仮想ストレージソフトの新製品「ScaleIO」である。もう一つは、異機種ストレージを抽象化するストレージ仮想化ソフトの新版「ViPR 2.0」である(関連記事:異機種ストレージの割り当て作業を簡素化するソフト「ViPR」に新版)。

 さらに、これらを組み合わせてPCサーバーとともにアプライアンス化したストレージ「Elastic Cloud Storage Appliance」(ECS Appliance)も用意した(関連記事:米EMC、“アマゾン対抗ストレージ”を発表)。

 ECS Applianceの価格は個別見積もりだが、価格の安いことをアピールしている。同社によれば、主流の規模(生データ1.4ペタバイト/利用データ740Tバイト)における4年間のTCOは、米Googleのクラウドストレージとの比較で9%、米Amazon Web Servicesとの比較で18%低い。大規模(生データ11.5ペタバイト/利用データ5.7ペタバイト)では、米Googleより23%、米Amazon Web Servicesより28%低い。

複数サーバーの内蔵ドライブを束ねるブロックストレージソフト

 新製品のScaleIOは、米EMCが2013年に買収した米ScaleIOのソフトウエア製品である。同ソフトをインストールしたPCサーバーを複数束ねて、大きな1台のブロックストレージを構成できる。個々のPCサーバーが内蔵するストレージを複数サーバーにまたがってプール化する仕組み。同様製品と比較した特徴は、OS上で動作するソフトウエアであり稼働環境が豊富なこと、内蔵ドライブ構成に制約がないなど機能がシンプルなこと、これらにより拡張性に優れること、などである。

 ScaleIOのソフトウエアは、LinuxやWindowsなどの各種OS上で動作する。これらのOSからはOS標準のドライバーソフトを介して仮想ストレージを利用できる。さらに、各種サーバー仮想化ソフト(KVM、Xen、VMware ESX、Hyper-V)の環境下で動作するモードも備える。この場合、仮想サーバーの一つにScaleIOをインストールして使う。

 ScaleIOの価格(税別)は、容量1Tバイト当たり9万9750円で、最小構成となる12Tバイト時の価格は119万7000円。2014年6月18日から提供を開始する。

異機種ストレージ抽象化ソフトはストレージの種類を拡大

 一方、今回新バージョンを出したViPRは、異機種ストレージを抽象化するストレージ仮想化ソフトである。「ViPR Controller」と「ViPR Data Services」という、役割が異なる二つのソフトウエアで構成する(提供形態は仮想アプライアンス)。

 ViPR Controllerは、サーバーへのストレージボリュームの割り当て作業を簡素化するソフトであり、ストレージ管理者の作業を代行する。一方のViPR Data Servicesは、ストレージに対して、ブロック(SAN)、ファイル(NAS)、オブジェクト(Amazon S3など)、Hadoop分散ファイルシステム(HDFS)といった各種手段でアクセスできるようにする、ゲートウエイ(アクセス仲介)サーバーである。ViPR Data Servicesを使えば、例えば、ブロックストレージをオブジェクトストレージとして利用できる。

 今回の新版では、ViPR Controllerを強化し、利用可能なストレージの種類を拡大した。具体的には、ViPR Controllerからコモディティサーバー(x86ベースのPCサーバー)をストレージとして扱えるようにした。ストレージ製品では、日立製作所の「Hitachi HUS VM」と「Hitachi VSP」を扱えるようにした。また、OpenStackのブロックストレージ管理コンポーネント「Cinder」を介すことで、米IBMや米Hewlett-Packard、米DELLなど各社のブロックストレージを扱えるようにした。

 さらに、ViPR Data Servicesを強化し、利用可能なオブジェクトストレージの種類を拡大した。従来は、Amazon S3、OpenStack Swift、EMC Atmosの三つのオブジェクトストレージを利用できていたが、今回これに米EMCのアーカイブ専用ストレージ「Centera」を追加した。コンプライアンス要件に応えることが狙いである。

 ViPR 2.0の価格は個別見積もり(2013年11月の初版出荷時の価格は容量100Tバイトの最小構成で税別270万円から)。2014年7月1日から提供開始する。

ScaleIOとViPR Data Servicesを組み込んだアプライアンス

 三つめの製品、ECS Applianceは、ScaleIOとViPR(ViPR Data Services)を組み合わせてPCサーバーに導入済み/設定済みとしたストレージアプライアンスである。複数台のPCサーバーにScaleIOを導入してブロックストレージを構成し、これをViPR Data Servicesを介してオブジェクトストレージおよびHDFSとして利用できるようにしている。

 ストレージ容量とストレージプロトコルの構成に応じて五つのモデルを用意している。非構造化データ向け(オブジェクトアクセスとHDFSアクセス)は、360Tバイト、1.4ペタバイト、2.9ペタバイトの三種類を用意した。混合データ向け(オブジェクトアクセスとHDFSアクセスに加えてブロックアクセスが可能)は、オブジェクト領域360Tバイトとブロック領域120Tバイト(1万2000 I/O毎秒)のモデルと、オブジェクト領域1.4ペタバイトとブロック領域120Tバイト(1万2000 I/O毎秒)のモデルの二種類を用意した。

 ECS Applianceの価格は個別見積もりで、2014年第4四半期(10月~12月)に提供開始する。