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 日立製作所は2014年6月16日、同社の社員2人が国立国会図書館の入札妨害を行ったとして刑事告発された事件に関する役員の処分や再発防止策を発表した。情報・通信システムグループのトップである齊藤裕執行役副社長以下役員3人を1カ月間減俸30%とする。また再発防止策として、顧客の情報資産の取り扱いに関するルールの全社点検を行ったほか、コンプライアンスに関連する社内委員会を設けて法令遵守を徹底する。

 今回の事件は、国会図書館のネットワークシステムの運用管理業務を2011年6月から担当していた日立のシステムエンジニア(SE)が、国会図書館の内部情報を不正に閲覧、取得していたというもの。不正に取得した情報の中には、国会図書館が発注する情報システムに関する他社の提案書や見積書が含まれていた。

 このSEは、当時の上長である主任技師(課長相当職)や、部長代理(課長相当職)を含む営業3人と不正に取得した情報を共有していた。日立の調査によれば、不正に取得した情報を使って国会図書館の入札案件を落札したことは無かったとしている。

 日立の社内規則では、情報システムの保守・運用業務における顧客の情報資産の取り扱いに関するルールを案件ごとに決めることになっていた。しかし国会図書館の案件では、ルールの整備が不十分だったという。同社では事件の発覚後、国会図書館以外の顧客に関して、ルールの整備状況などの緊急点検を行った。ルールに不備があった案件については、7月初旬までにルールの整備を完了する予定。他の案件で、不正な情報閲覧や取得を行っているケースは無かったとしている。

 処分対象となった役員は、情報・通信システムグループ長兼情報・通信システム社社長を務める齊藤裕執行役副社長、情報・通信システムグループ 情報・通信システム社システム&サービス部門CEO(最高経営責任者)を務める塩塚啓一執行役常務、情報・通信システムグループ情報・通信システム社CMO(最高マーケティング責任者)を務める津田義孝執行役常務の3人。また東原敏昭執行役社長兼COO(最高執行責任者)は1カ月間月俸の30%を自主返上する。

 国会図書館の内部情報を不正に入手したり共有したりした社員については、懲戒解雇を含む処分を既に下している。