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やる気の阻害要因トップは「上司」

 では何によって,ITエンジニアのやる気は阻害されているのか。アンケートでは「人や組織」と「状況や制度」に分けて,やる気の阻害要因を聞いた。


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図4●やる気を阻害する要因となっている人や組織

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図5●やる気を阻害している状況や制度
 まず「人や組織」の要因から見ていこう(図4)。最も多かったのは,やはりと言うべきか「上司」で,55.9%に達した。上司は部下のやる気に強い影響を与えている。このことを再認識する必要があるだろう。次いで多かったのは「勤務先の会社」(53.6%)である。見過ごせないのは,「同僚/チームメンバー」と答えた割合が32.4%にのぼったこと。職場での人間関係がうまくいかず,ITエンジニアのやる気を削いでいる状況が読み取れる。

 「状況や制度」については,何がやる気の阻害要因になっているのか(図5)。突出して多かったのは「組織のビジョンや目標があいまい」で,52.1%だった。所属企業や部門の方向性が明確にならないまま,日々の仕事に追われる。そんな状態が続くことで,ITエンジニアのやる気が削がれているようだ。

 2番目は「興味を持てない仕事を任される」で38.1%とそれほど高くなかったが,30%を超えた要因が合計で6個,20%を超えた要因まで含めると合計で11個もあることに注目したい。このことから分かるのは,人によってやる気を阻害する要因はさまざまであるということだ。そのため,自分のやる気を向上・持続させる画一的な方法は存在しない。まず何がやる気の阻害要因になっているかを自己認識したうえで,対処策を考える必要があるだろう。

「報酬」,「スキル」,「顧客からの感謝」でやる気が高まる


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図6●やる気を向上・持続させることに直結する要因
 最後に,自分自身のやる気を高める方法を考えるうえで,ヒントになる調査結果を紹介する。アンケートでは,「自分自身のやる気を向上・持続させることに直結する要因」と「やる気を向上・持続させるために日ごろ行っていること」の2つを聞いた。

 「自分自身のやる気を向上・持続させることに直結する要因」については,選択肢の間で割合にバラツキが生じたのが目立った(図6)。該当すると答えた回答者の割合が多かったのは,「報酬が上がる」,「スキルの伸びを実感する」,「顧客に感謝される」,「ビジョンや目標が明確になる」などで,この4つはいずれも50%を超えた。一方,「上司などが意思決定するときのプロセスや理由が明確に示される」や「主体的に仕事ができる権限を与えられる」,「与えられた仕事がチームや顧客にどう貢献するかが分かる」,「昇進する」といった要因はいずれも3割前後にとどまった。つまり約7割の人は,これらの要因ではやる気がさほど高まらないと考えているわけだ。


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図7●自分自身の「やる気」を向上・持続させるために,日ごろ行っていること
 このことから,自分自身のやる気を向上・持続させることに直結する要因については,多くのITエンジニアに共通するものがある一方で,一部の人だけが該当するものが多数存在すると言えそうだ。その意味で,やる気の阻害要因と同様に,やる気を向上・持続させる要因についても,自分自身が該当するものを認識することが重要である。アンケート結果を参考にするなどして,自分自身の“やる気の素”を考えてみてほしい。

 「自分自身のやる気を向上・持続させるために,日ごろ行っていること」は,3つの選択肢が突出して多かった(図7)。上位から順に「プロフェッショナルとしての自覚を持ち,それに恥じない仕事をする」(42.9%),「仕事のなかで問題を発見し,解決策を考え実行検証する」(42.5%),「自分はどうなりたいか,何を成し遂げたいかという中長期的な目標を定める」(42.4%)で,いずれも4割以上の人が該当すると答えた。一方で「特にない」と答えたのは,わずかに4.5%である。つまり大半のITエンジニアは,自分のやる気を向上・維持させる何らかの取り組みを日ごろから行っているわけだ。あなたは,日ごろ自分のやる気のためにどんなことをしているだろうか。