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取り組みを継続することがやる気につながる

 ここまでに紹介した調査結果から浮かび上がってくるのは,多くのITエンジニアは自分のやる気に関心を持ち,向上・持続させるための取り組みをしているが,それがあまり効果を発揮していないということだ。

 確かにやる気を向上・持続させることは簡単ではないが,あきらめてはならない。今回の特集のため,周囲から「やる気が高い」と評価されているITエンジニア約20人に取材したところ,自分のやる気を向上・持続させる取り組みに関して共通する特徴が見られた。それは,取り組みを日々継続して行う工夫をしていたことだ。

 例えばあるプロジェクト・マネジャーは,「2014年には,得意分野に関して本の著作があり,年収は2000万円」といった将来目標を具体的に立て,それを実現するために必要な行動計画を1年ごと,直近1年について月ごとに落とし込んでいた。そうすることで,日々の仕事を精一杯こなすことによって将来目標に近づいている実感が持てるという。

 別のSEは,自分が伸ばしたいスキル別に,身近にいる上司や先輩などを目標として設定していた。身近にいる人物だけに,顔を会わせるたび今の自分に何が足りないのかを思い起こすことになり,やる気を持続できているという。

 「ITエンジニアのやる気マネジメント術」の特集では,そうした自分のやる気を向上・持続させる工夫に加えて,「なぜ働くのか」「働き甲斐とは何か」といった自分の内面を掘り下げるヒントになる有識者へのインタビュー,自分のやる気の要因を科学的に分析し把握する方法,部下のやる気を向上・持続させる方法を35ページにわたって紹介した。あなたやあなたの部下のやる気を向上・持続させるのに役立つと確信している。ぜひご一読いただきたい。

中山 秀夫=日経ITプロフェッショナル